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» 2020年06月22日 07時00分 公開

スマホ決済の送金サービス台頭 銀行間手数料引き下げ検討の背景

銀行業界が銀行間手数料引き下げを検討する背景には、スマホ決済事業者による個人間送金サービスが台頭しているという事情がある。個人間送金は規制緩和が進んでおり、銀行の既得権益が崩れつつある。

[産経新聞]
産経新聞

 全銀協が銀行間手数料引き下げを検討する背景には、スマートフォンによるキャッシュレス決済を手掛ける資金移動業者が展開する個人間などでの送金サービスが台頭しているという事情もある。PayPayなどが展開するこうした送金サービスには気軽に送金できる利点がある一方、一部のサービスでの利用者負担や使い勝手の悪さも指摘され、規制緩和の動きも出ている。

photo スマートフォン画面に並ぶキャッシュレス決済のアプリ(宮崎瑞穂撮影)

 資金移動業は2010年施行の資金決済法に基づく新しい業態で、登録を受ければ、それまでは銀行などの金融機関にしか認められていなかった送金業務ができる。スマートフォン決済で一気に利用者が増えているPayPayやLINE Payなどが代表格だ。

 同じアプリを使っていれば無料で送金でき、電話番号などで送金可能で口座番号を聞く必要がないといった利点もある。1人暮らしの子供への送金や飲み会での割り勘など多様な場面で使われ始めており、日本資金決済業協会によると、18年度に資金移動業者が取り扱った金額は1兆3000億円を超え、8年間で100倍近くまで急増した。

 一方、こうした送金サービスには、課題も指摘されている。その一つが受け取った資金の現金化に手数料がかかることが多い点だ。例えばPayPayの場合は100円を払わねばならず、受け取った資金をペイペイでの買い物に使えば問題ないが、受け取る側からすれば現金の方が助かるというのが現状だ。

 また、資金洗浄などのリスクから1回の送金額の上限が法律で100万円に制限されている点も企業間送金などでの使いにくさにつながっている。

 ただ、5日には資金移動業者を3類型に分け、一部で100万円超の送金も認める改正資金決済法が成立し、銀行の既得権益は崩れつつある。(蕎麦谷里志)

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