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» 2020年06月29日 07時00分 公開

民事裁判もWeb会議 司法IT化「日本は2周遅れ」指摘も (1/2)

民事裁判の場面でもWeb会議ツールの利用が進んでいる。心理の迅速化や3密の回避などメリットが多い一方懸念も指摘され導入は遅れており、専門家は「IT化だけは2周遅れ」と指摘する。

[産経新聞]
産経新聞

 裁判所と弁護士事務所をインターネットでつなぎ、訴訟当事者らがWebカメラを通じて争点整理などを行う「Web会議」に期待が高まっている。裁判所を訪れる必要がなく、審理の迅速化が実現する他、3密も防止できるとして、感染予防を目指す「新しい生活様式」とも親和性が高い。導入2カ月での実施実績は全国で480件。利用した弁護士の評判も上々という。(桑村朋)

photo 裁判所と弁護士事務所(モニター内)をつないだWeb会議による民事裁判の模擬争点整理手続き =東京地裁(代表撮影)

 Web会議は民事裁判のIT化の一環として2月からスタート。知財高裁と東京、大阪などの9裁判所で先行導入され、現在は14裁判所で運用する。

 米Microsoft社のビデオ通話アプリ「Teams」で裁判官や弁護士らをつなぎ、争点整理や準備書面の共有、和解協議を非公開で行う。専用アプリを導入したPCがあれば場所を問わず利用可能だ。電子化された資料を画面上で共有することもできる。

 最高裁によると、実施件数は2月が134件、3月は倍以上の346件に上った。最高裁は「理由の分析は時期尚早」とするが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で利用が広がった可能性がある。緊急事態宣言が出された4月以降の実施状況は、7月にもまとめるという。

 民事裁判では裁判所、原告側、被告側の三者間の日程調整が難航するなどし、審理が長期化する傾向がある。最高裁のまとめでは、民事裁判の平均審理期間は9カ月、証人尋問を行う場合は21カ月を要する。長期化は当事者の負担増や訴訟意欲の低下を生みやすく、長年の課題でもあった。

 Web会議を3回実施した松尾吉洋弁護士(大阪弁護士会)は「機材を整える必要もなく、雰囲気も裁判所とそう変わらない」と評価。コロナ禍で裁判が止まったことにも触れ、「緊急時に社会機能をストップさせないためにも、司法界はもっとITを活用すべきだ」と話す。

 法務省や最高裁は、現行法の範囲でできるWeb会議を司法のIT化に向けた第1段階と位置付けており、「Web会議でITを通した裁判の進行を体感してもらい、今後のIT化をスムーズに進められれば」と同省担当者。今後、訴状を電子データで提出できるようにすることが最終的な目標だ。

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