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» 2020年07月01日 07時00分 公開

増えるオーケストラのライブ配信 コロナ後の事業の柱と期待 (1/3)

オーケストラがコンサートのライブ配信に積極的に取り組み始めている。新型コロナウイルスの感染拡大で、コンサートの自粛が続くなか、ライブ配信は「あらたな事業の柱になる」と期待。しかし、配信にも費用が必要で、オーケストラは政府の支援に期待を寄せる。

[産経新聞]
産経新聞

 オーケストラがコンサートのライブ配信に積極的に取り組み始めている。新型コロナウイルスの感染拡大で、コンサート自粛を余儀なくされてきたオーケストラは今月から活動再開を始めているが、依然、イベントの開催制限は続くことからライブ配信を活用したい考えだ。関係者は「あらたな事業の柱になる」とも期待。これまでクラシック音楽に親しみのなかった人へのアプローチ策としても有効と考えられている。

photo 19万以上のアクセスがあった大阪フィルハーモニー交響楽団のライブ配信(カーテンコール提供)

力強い味方に

 「ライブ配信は力強い味方になると実感しました」

 大阪フィルハーモニー交響楽団は3月19日、新型コロナの感染拡大を受けて、フェスティバルホール(大阪市北区)で開催予定だった定期演奏会を急きょ、無観客で行い、無料でライブ配信した。19万4000アクセスは、事務局次長の福山修さんを驚かせた。というのも、通常では約3000人の客席が満席になることすら珍しいからだ。配信の詳細を告知したのは本番のわずか3日前だったが、リツイートが相次ぎ、予想以上の数字に潜在的なファンの多さを実感した。

 「ライブですから思わぬミスもある。配信前は、正直、批判的に受け止められるかも、といった心配がありました」と明かす。しかし、寄せられたコメントには「さすが大フィル」「ライブに行きたくなる」などの好意的な言葉が並んだ。舞台上で額に汗しながら音楽に集中する音楽家の熱意がインターネット越しに伝わった手応えを感じた。

 大阪フィルは2月から6月にかけて、50公演以上の中止、延期が決定し、その間、収入は断たれた。今月からコンサート活動を再開したが、観客数を絞らなければならず、苦しい経営は続く。新規顧客の開拓のためにも今後もライブ配信を活用していく方針で、今後は賛同を得られれば課金できる「投げ銭」の仕組みも導入することも検討する。

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