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» 2020年07月27日 07時00分 公開

米IT大手、香港撤退シナリオ 「国安法」が駆逐圧力に (1/3)

国家安全維持法が施行された香港で、米大手IT企業が対応に苦慮している。中国のネット検閲の目が香港にも及ぶ可能性があり、撤退も含めた検討を迫られている。専門家は「米IT企業の駆逐が目的かもしれない」との見方を示している。

[産経新聞]
産経新聞

 検索大手Googleや交流サイト(SNS)大手Facebookなどの米IT大手が、香港で施行された国家安全維持法(国安法)への対応に苦慮している。中国本土に敷かれたネット検閲・監視体制が、香港にも広げられる懸念があるためだ。各社は香港当局の出方を見極める構えだが、当局への協力要請を拒めば現地社員が拘束される恐れもあり、撤退も視野に入れた事業リスクの検討を迫られる可能性がある。(ワシントン 塩原永久)

 国安法施行後の6日、GoogleとFacebook、短文投稿サイトのTwitterが、香港当局への利用者データの提供を一時停止したことが判明した。

 IT大手は、サービスを展開する国や地域の法制度に従い、現地の捜査機関や裁判所の要求に対して利用者データの開示に部分的に応じてきた。各社は国安法施行後、この開示プロセスを見合わせ、新法が「言論の自由」を前提とする事業運営にどう影響するか「詳細な確認を続けている」(Google)という。

 サイト運営企業にとって国安法が問題なのは、当局が「国家の安全を脅かす恐れがある」と見なす投稿について、企業に削除やアクセス制限を命令できると規定されているためだと、専門家は指摘する。

 サイト運営者が命令に従わない場合には、当局が令状をとり通信機器を差し押さえたり、場合によっては最大10万香港ドル(約140万円)の罰金を科したりすることができる。さらにサイト運営企業の従業員を6カ月以下の禁錮刑に処する可能性もあるという。

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