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» 2020年09月01日 07時00分 公開

9月1日からマイナポイント事業 関西の商店街、中小店は静観 取得に手間 新型コロナも悪影響

キャッシュレス決済を使ったマイナンバーカード保有者に使えるポイントを配る「マイナポイント事業」が9月1日から始まる。しかし、マイナポイントは取得に手間がかかり、店側のメリットも未知数なため。盛り上がりに欠けた状況が続いている。

[産経新聞]
産経新聞

 キャッシュレス決済を使ったマイナンバーカード保有者に買い物などで使えるポイントを配る「マイナポイント事業」が9月1日から始まる。ただ、マイナポイントは取得に手間がかかる上、新型コロナウイルスの感染拡大で利用を促すキャンペーンも展開しづらいのが実情だ。関西の商店街や中小の小売店、飲食店などは盛り上がりに欠けた状況が続いている。(山本考志)

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 「マイナポイント事業のスタートに合わせたセールなどは今のところ予定していない」。千林商店街振興組合(大阪市旭区)の岡田浩二事務長はこう話す。

 千林商店街は若い世代の客を呼び込もうとキャッシュレス決済の導入に積極的で、約200店のうち約90店に導入済みだ。マイナポイントで買い物をしてもらう態勢は整っている。

 ただ、とくにマイナポイントの利用を呼びかけるつもりはなく、当面は静観する。2019年10〜20年6月に国が消費税増税対策としておこなったキャッシュレスポイント還元事業では、使い方や登録の方法を高齢者に教えるなど、利用拡大に力を入れたのと対照的だ。

 岡田事務長は「マイナポイントの取得は手続きが多く、マイナンバーカードへの関心が薄い高齢客にはハードルが高い」と指摘。「若い世代を呼び込もうにも、新型コロナで(マイナポイントの利用を呼びかける)イベント自体が開けない」と話している。

photo 20年7月、東京・大手町で行われたマイナポイント事業の新CM発表会(戸加里真司撮影)

 19年10月からのキャッシュレスポイント還元事業と違い、マイナポイント事業は、中小店が大企業の運営する店と同じ土俵でポイントを奪い合うようになることもネックとなりそうだ。

 キャッシュレスポイント還元事業は、中小店などでの利用にのみ決済額の最大5%分のポイントが還元される仕組みで、大企業が運営する店での利用は対象外だった。

 だが、今回のマイナポイントは、あらかじめ選んだキャッシュレス決済サービスさえ使えれば、中小店でも大企業の店でも支払いに充てられる。メリットは中小店でも大企業の店でも享受できるというわけだ。

 大阪商工会議所の関係者は「中小・小規模事業者にとって、マイナポイントはキャッシュレス決済を続ける当面の動機にはなるかもしれないが、売り上げ増につなげられるかは未知数」と指摘する。政府の狙い通り、消費の喚起やマイナンバーカードの普及につなげるのは難しそうだ。

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