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» 2020年09月15日 07時00分 公開

強まる“投資会社”色 見えにくいソフトバンクグループの成長戦略

ソフトバンクグループが英Armの全株式を最大400億ドルで米NVIDIAに売却することになった。今後の大きな成長が見込めるArm株の売却でSBGの投資会社としての側面が一層強まったといえるが、成長戦略は見えにくくなってきている。

[産経新聞]
産経新聞

 ソフトバンクグループ(SBG)が英半導体開発大手Armの全株式を最大400億ドル(約4兆2000億円)で米半導体大手NVIDIAに売却することになった。売却により同社の財務体質は大きく改善するが、Armは同社が保有する資産の中でも最も成長が期待できる銘柄の一つだった。高値で売却できるこのタイミングで手放すという判断は、SBGの投資会社としての側面が一層強まったといえるが、同社の成長戦略は見えにくくなってきている。

photo ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長

 「来年、再来年、一気に加速して伸びるというふうに私は確信しております」。2020年6月に行われた株主総会で、SBGの孫正義会長兼社長はArmについてそう絶賛していた。

 Armの製品は米Amazonのサーバに採用が決まるなど、出荷数が急伸。スーパーコンピュータの性能を競う世界ランキングで世界1位となった理化学研究所の新型スパコン「富岳」の心臓部の中央演算処理装置(CPU)にもArmの製品が使われており、「戦略的中核会社の一つ」(孫氏)との位置付けだった。

 しかし、8月の20年4〜6月期決算発表会で様相は一転する。孫氏がArmについて「興味があるというところも現れたので売却することも選択肢だ」と発言したからだ。

 孫氏は近年、投資先企業の子会社化にこだわらず、柔軟な連携により相乗効果を生んで成長を目指す「群戦略」を掲げる。各社の自立性が尊重され自由な経営が行える一方で、グループとしてどれだけの相乗効果が得られるのかなどは見えにくくなっているのが実態だ。

 今回の売却でも、SBGは「Armの長期的な成功に引き続きコミットし、当社の株主価値のさらなる向上に取り組む」とするが、売却後にSBGが手にするNVIDIAの株式は数%だ。どういった協力関係を築き、SBGの成長につなげようとしているのかについても、明らかにされていない。(蕎麦谷里志)

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