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» 2020年10月06日 07時00分 公開

コロナ禍で受験に大異変 オンライン入試導入も不正懸念、志望者激減の学校も

新型コロナウイルスの影響で、中学や大学の受験に異変が生じている。感染防止のためオンライン入試の導入を検討する学校もあるが、不正の懸念が払拭できない。自宅から通える地元の学校や有名校に志願者が偏る恐れもある。

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 新型コロナウイルスの影響で、中学や大学の受験に異変が生じている。感染防止の観点でオンライン入試の導入を検討する学校もあるが、不正の懸念は残る。一方、コロナ禍の直撃で志望者の激減に見舞われる学校もあるという。専門家は「地元の学校や有名校に人気が集まりそうだ」と指摘する。

 東京の名門私立、開成高では、合格者と違う人物が通学する「なりすまし登校」が発覚したが、2020年度の首都圏の中学入試では、オンライン入試導入を巡り見解が割れている。不正の懸念が払拭(ふっしょく)できないことが大きな理由だ。

 東京私立中学高等学校協会は9月、オンライン入試の自粛を求める指針を決めた。このためオンライン入試導入の方針を発表していた青陵中(東京都品川区)では、学校側が用意した会場に受験生を集め、タブレットを用いた試験を行う方針に転換した。埼玉県でもオンライン試験中止の指針が出されたが、千葉県と神奈川県では各校の判断に任せるとしている。

 大学入試では総合型選抜や学校推薦型選抜(それぞれAO入試と推薦入試から改称)でオンライン面接を活用する動きもあるが、募集要項に「通信不良となった際には試験を打ち切る」と記載していた学校があり、物議を醸した。文部科学省は、通信に不具合が生じたら受験生と個別に連絡を取るよう要請。試験時間の繰り下げや予備日を設定するなどの対策を示した。

 オンラインを巡り揺れる状況について、大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は「自宅でのオンライン入試では、PCにメモを張り付けたり、保護者が助言する不正などが想定される。受験生の視線などを人工知能(AI)が判定する仕組みも注目を集めたが、誤判定の可能性もあり不正監視に限界がある。オンライン面接も通信切れのリスクはぬぐえず、対応に苦慮しているようだ」と解説する。

 志望校選びにもコロナ禍が大きく影響している。「大学通信」ゼネラルマネジャーの安田賢治氏は、「海外留学など国際教育を売りにしていた学校の人気が低迷している。中学受験では複数校による合同説明会が開かれない結果、近所の学校や有名校へ受験生が偏ってしまう」と指摘する。

 前出の石渡氏は「大学でも自宅から通える地方国立大が人気だ」と語る。都市部の企業での就職活動がネックだったが、説明会や選考活動をオンラインで実施する企業が増えていることが追い風になっているという。これに対し、「有名私大は数年前から定員厳格化に伴い敬遠される傾向だが、倍率はさらに低下するのではないか」と見通しを語った。

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