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» 2020年10月08日 10時30分 公開

中学生の手話ロボット開発エピソード、教科書に載る

人が話す言葉を手話に翻訳するロボットを開発した追手門学院大手前中学校の生徒たちのエピソードが、教科書の題材に採用された。ロボットという身近なテーマで、同世代の生徒が国際的な活躍を見せたことなどが採用の理由だという。

[産経新聞]
産経新聞

 人が話す言葉を手話に翻訳するロボットを開発した追手門学院大手前中学校(大阪市中央区)の生徒たちのエピソードが、教科書の題材に採用された。同世代の活躍という話題性に加えて、「異言語」間のコミュニケーションの大切さが伝わる内容が中学生の英語教育にふさわしいと判断された。

photo 手話ロボットの開発や世界大会での入賞などが紹介された英語教科書

 エピソードを掲載しているのは、「新興出版社啓林館」(同市天王寺区)が作成した2021年度の中学2年生向け英語教科書「BLUE SKY」。同校チームの取り組みに感銘を受けた同年代からの感想という形の英文を載せている。

 同校生徒5人のチームは17年、「持続可能な社会を作るロボット」がテーマだった世界ロボットオリンピックに、音声を手話に翻訳するプログラムを組み込んだロボットでエントリー。日本大会で優勝し、中米・コスタリカで開かれた世界大会では3位に入賞した。

 この手話ロボットを生んだのは、チームの「手話が使えなくても耳の不自由な人と交流できたら」という発想。高さ約50cmのロボットは、5本の指を備えた人の腕を模しており、会話の音声を手話としての指などの動きに変換するプログラムが組み込まれた。

 教科書に採用されたきっかけは、産経新聞などが掲載した同校チームの活躍を伝える記事。新興出版社啓林館の編集部によると、同年代が国際的に活躍したことは中学生にとって自分たちも頑張ろうという刺激になるだけでなく、ロボットプログラミングという身近で興味を引く話題でもあることから教科書の題材としてふさわしいと評価したという。

photo 世界大会で3位に入賞した手話ロボットを囲む開発メンバー(17年)

 さらに、「異言語間のコミュニケーション」を助ける手話ロボットの開発自体が、海外との交流のために外国語を学ぶ重要性に気づくことにもつながると、副次的な効果にも期待している。

 当時のチームリーダーで現在、追手門学院大手前高校3年の辰巳瑛(あきら)さん(17)は「教科書に載ることで、今後の人生で新しいことに挑戦していく励みになる」と話している。

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