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» 2020年10月16日 07時00分 公開

パナソニック、シャープ、ダイキンがコロナ対策で火花 空気を“見える化”

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国内の家電・空調各社が、ウイルスの感染抑制や換気などの機能を強調した製品で火花を散らしている。空気の質は目に見えないため、いかに効果を可視化してアピールできるかが課題となっている。

[産経新聞]
産経新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国内の家電・空調各社が、ウイルスの感染抑制や換気などの機能を強調した製品で火花を散らしている。ダイキン工業は換気機能付きエアコンのラインアップを拡充し、パナソニックは想定以上の注文で生産停止していた空間除菌脱臭機の販売を再開。シャープも空気清浄機能付きエアコンが好調だ。ただ、空気の質は目に見えないため、これをどう可視化して制御できるかが今後の成長の鍵を握る。(山本考志)

photo ダイキン工業がラインアップを拡充させる換気機能が付いたエアコン=14日、東京都港区

生産拠点を大幅拡充

 ダイキンは14日、「業界唯一の機能」という換気しながら冷暖房できる家庭用エアコンのラインアップ拡充を発表した。2020年4〜7月の売り上げが前年同期比で1.5倍となった高価格帯シリーズ「うるさらX」に加え、小スペース向けの中価格帯シリーズ「うるさらmini」を11月1日に発売。21年3月30日には除加湿機能を省いた低価格帯も投入する。

 同社は20年度の換気機能付きエアコンの販売台数を30万台まで引き上げて国内家庭用エアコンのトップシェアを目指すとし、舩田聡常務執行役員は「『換気イコールダイキン』と思ってもらえるよう、世界中の商品リソース(資源)を活用して販売していく」と意気込む。

 同社ではウイルス抑制効果があるという独自技術「ストリーマ」を搭載した空気清浄機も4〜7月の売り上げが前年同期比で2倍に。中国のみだった生産を年内にはマレーシア工場で始め、国内でも滋賀製作所(滋賀県草津市)を候補に生産を検討するなど攻勢を強める。

飛沫粒子を効果的に捕集

 一方、国内家庭用エアコンでシェアトップのパナソニックも、ウイルス抑制効果をアピールする独自技術「ナノイー」を採用した高価格帯エアコンが前年以上の売れ行きだ。また空間除菌脱臭機「ジアイーノ」も想定以上の注文で4月中旬から一時的に新規受注をストップし、9月下旬に販売を再開した。

 同社はオフィス向けの感染対策としてジアイーノの効果的な設置場所を提案したり、画像センサー技術で人が集まる場所の換気を強化したりする事業展開も視野に入れる。

 約20年にわたりウイルス抑制効果の研究・開発を続けるシャープは、独自技術「プラズマクラスター」を搭載した空気清浄機の4〜9月の売り上げが出荷ベースで前年同期比約2倍に伸長した。19年末に発売した空気清浄機能付きエアコン「エアレスト」シリーズは、6月の販売台数が5月と比べて約3倍となった。

 同社はWebサイトで、空気清浄機とエアリストが密閉空間でウイルスを含む飛沫(ひまつ)粒子を効果的に捕集する様子を検証した動画を公開してPRする。

大学との実験で効果確認

 ダイキンなど3社はそれぞれ大学との実証実験で、自社の独自技術が新型コロナの感染力を抑制する効果を確認している。ただ、実験環境下での結果のため製品と効果を結び付けてPRできず、目に見えない空気の質が生活環境でどう改善するかを訴求する方法が課題となっている。

 ダイキンは、エアコンと連携させることで室内で呼吸から出る二酸化炭素の濃度が上がると換気させるAI(人工知能)コントローラーも展開する。

 野村証券の前川健太郎シニアアナリストは「新型コロナで高まった除菌や換気に関する需要は当面続くとみられる。住宅やオフィス、店舗などで空気の質を可視化して制御する製品は、まだまだ成長の余地がある」と指摘している。

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