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» 2020年11月30日 07時00分 公開

コロナ重症化に関わる遺伝子を特定へ スパコン「富岳」で研究

理化学研究所は、富岳を使って新型コロナ感染症の症状と遺伝子の関係を調べる研究を始める。重症化の要因が特定できれば高リスクの人に適切な治療方針を決めたり、低リスクの人の行動規制を緩和して経済活動を維持したりといった対応につながる可能性がある。

[産経新聞]
産経新聞

 理化学研究所は、新型スーパーコンピュータ「富岳」を使って、新型コロナウイルス感染症の重症化に遺伝子の変異がどう関わっているかを解析する研究を始めることを明らかにした。

 東京医科歯科大の宮野悟特任教授らの研究チームが取り組むもので、新型コロナ感染者のうち重症、軽症、無症状の患者のゲノム(全遺伝情報)を解析し、重症化に関わる遺伝子の変異を見つけるのが目標だ。

 重症化の要因が特定できれば、事前の遺伝子検査によってリスクの高い人に対してより適切な治療方針を決めたり、低リスクの人の行動規制を緩和して経済活動を維持したりといった対応につながる可能性があるという。

 富岳は2021年度の本格稼働を目指しているが、新型コロナ対策に貢献するため、すでに5つの研究で先行利用が始まっており、今回の研究が6件目となる。既存薬から治療薬候補を探したり、せきなどによる飛沫(ひまつ)の広がり方を分析して感染対策を模索したりといった研究で成果を出している。

 理研・計算科学研究センター長の松岡聡氏は「富岳を利用した研究の申し込みが他にもある中で、本当に富岳のパワーを必要とし、コロナ対策に役立つ研究なのか、厳格な審査をして採択した。重症化の要因を特定できれば、大きな対策につながるのではないかと大変期待している」と話した。

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