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東京都、「デジタル局」設置を正式表明 平井デジタル相「デジタル庁と連携していきたい」

» 2020年12月01日 14時32分 公開
[樋口隆充ITmedia]

 東京都の小池百合子知事は11月30日、都庁内のDX(デジタルトランスフォーメーション)化に向けて「デジタル局(仮称)」を設置すると表明した。年明け後の都議会に既存の組織を改組する条例改正案を提出し、2021年4月の設置を目指す。

photo 所信表明する小池知事(出典:都議会公式ページ)

 小池知事が都議会第4回定例会で表明した。新組織について小池知事は「ICT人材を豊富に活用し、先端技術による全庁的な業務改革を先導するとともに、全職員のデジタル能力の底上げを図るなど、DXを力強く推し進める核となる組織」と説明。「コロナ禍からの経済回復の速度はデジタル競争力にも左右される」とし、「コロナ禍で浮き彫りとなった課題を克服する構造改革を大胆に進め、DXを一気に加速しなければならない」と新組織の意義を述べた。

 既に東京都では、都庁内のICT推進などに特化した専門組織「戦略政策情報推進本部」を19年に設置している。最先端技術を活用した新事業の創出の他、金融の活性化に向けた「国際金融都市・東京」構想に基づく取り組みを実施してきた。現在は都の政策立案などを担う「政策企画局」の一部という扱いだが、都では条例を改正した上で、21年4月に本部から格上げする形で「デジタル局(仮称)」を設置する。組織規模などの詳細については現時点で未定。

photo 「デジタル局(仮称)」について(出典:知事の会見資料)

平井デジタル相「歓迎したい」

 東京都のこうした動きに対し、平井卓也デジタル改革担当相は12月1日の会見で、前日に小池知事や宮坂学副知事と面会したことを報告した上で、「歓迎したい」と述べた。

photo 記者会見する平井氏

 平井氏は都から地方自治体のDX推進のため、クラウドの利用推進やICT人材の確保、オープンデータの推進など7つの要望を受けたと説明。「各自治体も縦割り問題を抱えている。システム部門と業務部門が一緒になってデジタル化を進めないといけないという問題意識はわれわれと一緒だ」として、「(創設予定の)デジタル庁とも情報共有や連携をしていきたい」との見解を示した。

photo 都が国に提出した要望書の内容

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