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» 2020年12月04日 07時00分 公開

光回線の公正利用に懸念噴出 ドコモ完全子会社化 競合トップが有識者会議に出席

総務省が、NTTによるNTTドコモの完全子会社化について、競争環境の公平性について検証する有識者会議の初会合を開いた。NTTはドコモを優先的に扱うことはないとしているが、競合各社は公正競争を阻害するとの懸念を示した。

[産経新聞]
産経新聞

 総務省は3日、NTTによるNTTドコモの完全子会社化を巡り、他の通信会社との競争環境の公平性について検証する有識者会議の初会合を開いた。会合にはソフトバンクの宮内謙社長らドコモのライバルにあたる携帯大手トップが出席。第5世代(5G)移動通信システムの基盤となる光ファイバー回線の設備を独占するNTTがドコモと一体化すれば、競争が阻害されるとの懸念が相次いで示された。有識者会議は今後も議論を継続し、2021年3月までに報告書を取りまとめる。

 「設備の公正な利用が実現しなければ、日本のデジタル化が進まなくなる。日本の浮沈がかかっている」

 宮内氏は3日の会合でドコモの完全子会社化に警鐘を鳴らした。

 初会合には宮内氏の他KDDI(au)の高橋誠社長や楽天モバイルの山田善久社長も出席。携帯大手トップが顔をそろえる異例の開催となった。一方、NTTからは北村亮太執行役員が出席した。

 最大の論点になるのがNTTが持つ光回線設備だ。電電公社時代の資産を引き継いだNTT東西は、携帯電話の基地局や通信センターをつなぐ光回線で75%のシェアを握り、携帯各社もこのインフラに依存する。5Gの普及で光回線設備の重要性が高まる中、ドコモとNTT東西の経営が一体化すれば、ドコモに対して有利な条件で回線が提供され、競争が大きくゆがむ懸念がある。

 会合では携帯電話料金の値下げを巡る動きが活発化する中で、高橋氏が「各社が切磋琢磨する上でも公正競争の確保が重要だ」と強調した。宮内氏もドコモが非上場企業としてNTTの完全子会社になることで「ドコモの収益が減っても、グループ全体で利益が上がればよくなる。何でもできるようになる」と巨大NTTの再結集に危機感を示した。

 一方、NTT側はNTT東西が特定事業者を優先的に扱ったり、本来の目的を超えて特定の事業者と情報を共有したりすることは法律で禁止されていると強調。北村氏は「法令順守は出資比率が66%でも100%でも変わらない」と主張した。あくまで5Gや次世代の6Gでの国際競争力や米巨大ITに対抗することが狙いで、「公正競争に悪影響が生じることはない」とした。

 ただ、それでも競合各社の不満は消えない。高橋氏は「制度があっても運用面で見えなくなる部分がある」と完全子会社化による新たな弊害を指摘した。宮内氏は「構造分離が必要になるか議論すべきだ」と述べ、NTT東西から光回線設備を切り離して別会社化し、公平性を担保する構想についても言及した。

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