ITmedia NEWS >
ニュース
» 2020年12月11日 07時00分 公開

新型コロナ、AI解析深化に30億円超 政府、3次補正に計上へ

政府が新型コロナ対策として、AIを活用した解析を深化させるため、2020年度第3次補正予算案に内閣官房の調査研究業務として30億円超を計上する方向で調整している。ビッグデータを活用して流行の兆しをつかむ技術の開発や富岳の活用を進める。

[産経新聞]
産経新聞

 政府が新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、人工知能(AI)などを活用した解析を深化させるため、2020年度第3次補正予算案に内閣官房の調査研究業務として30億円超を計上する方向で調整していることが9日、分かった。感染拡大の端緒を早期に探知するシステムの構築などを目指す。最新技術で得た知見を経済活動と感染防止の両立に向けた政策立案につなげる考えだ。

photo スーパーコンピュータ「富岳」=神戸市中央区の理化学研究所計算科学研究センター(渡辺恭晃撮影)

 早期探知に関しては(1)個人によるSNS(会員制交流サイト)やインターネットへの投稿(2)空港や駅、繁華街に近い医療機関、学校、店舗などからの情報(3)健康管理アプリの情報(4)各種調査の結果――を集約して解析。流行の兆しをつかんで自治体など関係先と情報を共有する。ピンポイントで効果的な対策を講じる判断材料にもできる。

 将来的な感染の広がりと対策による抑制効果を予測するシステムの構築も目指す。人口や初期感染者数、感染力、検査頻度、人出などさまざまな変数を設定し、将来の推定感染者数や対策の効果を計算する「シミュレーター」を構築する。

 解析の前提となるデータを巡っては、各地の人出や人々の行動履歴、診療情報や保健所が持つ感染状況などのデータを連携させ、個人情報に配慮しつつ研究者らがアクセスしやすい形の「基盤」として集積することを検討している。対策の立案作業を加速させる効果が期待できる。

 政府は西村康稔経済再生担当相のもとに京都大の山中伸弥教授ら有識者を集め、AIシミュレーションなどに関する助言機関を設置。AIやスーパーコンピュータ「富岳」を用いた飛沫の分析結果などを、飲食店向けのガイドライン作成や映画館の収容人数といったイベント制限を緩和する際の判断材料として生かしてきた。今月8日に閣議決定した経済対策にもAIの活用が盛り込まれている。 

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.