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» 2021年01月20日 09時00分 公開

電力逼迫で大停電危機 コロナ禍の巣ごもりに寒波とLNG在庫減少……専門家「大規模停電は現実的な問題」

全国的な電力不足が深刻化している。寒波の影響で電力需要が大幅に増加する一方、火力発電の燃料となる液化天然ガスも在庫が減少。コロナ禍の「巣ごもり」で家庭の電力消費も高止まりしている。

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 全国的な電力不足が深刻化している。寒波の影響で電力需要が大幅に増加する一方、火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)も在庫が減少。コロナ禍の「巣ごもり」で家庭の電力消費も高止まりしており、専門家は「大規模な停電は現実的な問題だ」と警鐘を鳴らす。

 各地の電力使用率(速報値)は、12日に関西電力管内で99%、四国電力で98%、東北電力で97%まで上昇、その後はやや落ち着いたが、引き続き予断を許さない。

 なぜ電力が逼迫(ひっぱく)化しているのか。エネルギー問題に詳しいジャーナリストの石井孝明氏は、「これまで電力供給の3割を担っていた原子力発電所がほとんど動いていない。運転を再開した九州電力川内原発が辛うじて電力供給を支えているような状態だ」と述べる。

 原発以外は「電力各社が主力とする液化天然ガス(LNG)は、コロナ禍で液化プラントやタンカーの稼働が低迷し、供給が混乱している。太陽光パネルは北陸地方や北海道西部などに多く設置されているが、悪天候で日光量が少ないうえ、雪がパネルを覆い満足に発電できていない」(石井氏)のが実情だという。

 緊急事態宣言を受けて家庭の電力消費が増加する可能性もある。石井氏は「巣ごもりで暖房などの電力使用が増えた影響は5%程度だろう。コロナ禍を考慮しなくても電力の逼迫はいずれかの段階で問題になっていたはずだ。最大の原因は、電力供給体制を整えないまま石炭火力発電所を抑制したり再生可能エネルギーを過剰に後押ししたことにある」と強調する。

 秋田県内では今月7〜8日、約6万7000世帯で停電が発生した。こちらは暴風雪で電線が切れたことなどが原因だったが、真冬の停電への不安はぬぐえない。

 電力不足を乗り切るため、個人にできることはあるのか。石井氏は「健康に被害を与えない範囲で節電を心掛けることだ。停電を想定して水や食料、スマホの予備電源を用意する必要もある。日本の電力会社は数日中に電力を復旧させる対応力を備えている。必ず復旧すると信じて待つ準備を整えることが重要だ」と助言した。

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