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» 2021年02月12日 10時00分 公開

画面と時間の争奪戦……動画配信サービス、独自色で国内勢攻勢

コロナ禍で存在感を増したのが動画配信サービスだが、Amazon Prime VideoやNetflixなどの海外勢が先行しているが、ここにきて国内の動画配信サービスも独自色を打ち出しながら、顧客の取り込みに攻勢をかけている。

[産経新聞]
産経新聞

 首都圏などで新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が延長され、“おうち時間”の過ごし方に悩む日々が続く。このコロナ禍で存在感を増したのが動画配信サービスだが、Amazon Prime VideoやNetflixなどの海外勢が先行しているイメージだ。ここにきて国内の動画配信サービスも独自色を打ち出しながら、顧客の取り込みに攻勢をかけている。(兼松康)

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群雄割拠……地上波ともバトル

 2020年来のコロナ禍で、日常生活に浸透してきた動画配信サービスは、Amazon Prime VideoやNetflix、さらには、米国発ながら日本テレビが日本向け事業を買収したHuluといった海外勢が先導してきた。

 一方、国内勢では、映画やドラマ、アニメなど21万本以上の作品が見放題で、“国内最大級”とうたうU-NEXT、国内テレビキー局のドラマやそのスピンオフ作品などを中心としたFOD、Paravi、TELASAなどがよく知られる。また、TSUTAYAが展開する「TSUTAYA TV」なども。今まさに群雄割拠で、テレビ地上波などと家庭の「画面」を奪い合い、消費者の限られた時間の取り合いをしている状況だ。

スポーツやライブに強み

 こうした中で“新規参入”があった。WOWOWは1月、BS放送の視聴環境がなくても、配信でWOWOWの番組を見られる「WOWOWオンデマンド」を開始。これまでは放送の加入者限定の配信サービスだったが、PCや専用アプリでWOWOWを見られるサービスだ。

photo スマホのアプリからWOWOWが視聴できるサービス「WOWOWオンデマンド」で、WOWOWは顧客の取り込みを図る

 「開局30周年を機に、配信でも見られるルートで顧客との接触機会を増やした」。WOWOWメディアビジネス局プロモーション部の内濱和敏部長は説明する。特に20年4月からの緊急事態宣言下では動画配信サービスが注目されたが、当時、WOWOWは苦戦を強いられたという。

 「強みである、国際的なスポーツイベントや大物アーティストらの音楽ライブが中止などに見舞われ、放送・配信ができなかった。在宅時間の増加で映像サービスが伸びたとされるが、それは配信系のみ」(内濱氏)。

 そうした中で、「まずは(動画配信サービスの)選択肢の一つに挙げてもらうことが重要」と、「WOWOWオンデマンド」のサービス開始につながった。

 「WOWOWオンデマンド」の月額サービス料金は、放送の「WOWOW」と同額の2530円。「スポーツ生中継や音楽ライブ、それに『連続ドラマW』などのオリジナルドラマの3つが最大の武器。オリジナルコンテンツも制作しており、多様な顧客層が楽しめる」と自信を見せる。

ワンコインで会員急増

 NTTドコモが展開するdTVは2009年に「BeeTV」として開局した。強みは料金の安さだ。20年12月から洋画や海外ドラマ300タイトル、邦画200タイトルを追加し、12万作品が見放題だが、月額料金は550円。Netflixが5日に、ベーシックプランを880円から990円に値上げし、dTVの低価格がさらに際立った形だ。

 20年の緊急事態宣言下で大きく会員を増やしたが、同社のスマートライフビジネス本部コンテンツビジネス部では、「ワンコイン(税別500円)でちょうどいいと思われるサービスを展開する」としている。

 音楽コンテンツに強みを持つ他、先月29日に公開された映画「名も無き世界のエンドロール」の後日譚となるオリジナルドラマを配信するなど、独自色を出している。

映画と連動でプロモーション

 公開中の映画「名も無き世界のエンドロール」と、その後日譚となるdTVのスピンオフドラマ「Re:名も無き世界のエンドロール 〜Half a year later〜」。その双方のプロデュースを務めた内部健太郎プロデューサーは、映画と配信ドラマの関係について「メディア連動することで得られる一番大きな効果はプロモーション効果」と指摘する。

 海外の配信事業者などを中心に、劇場作品を公開と同時に配信するケースも増えているが、内部氏は「映画はイベント感、誰かと行く特別感があり、配信には場所と時間を選ばず視聴できる利便性があるため、共存していく」と説明。「両方のメリットを生かした連動コンテンツや相互送客を目指した取り組みも増えるだろう」としている。

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