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» 2021年03月01日 07時00分 公開

トヨタ、燃料電池システムを外販へ

トヨタ自動車が、自社開発の燃料電池システムの外販に乗り出す。燃料電池車は電気自動車と比べて普及が遅れているが、水素社会の構築が本格化すれば、航続距離の長さなどFCVの強みが評価される可能性もある。

[産経新聞]
産経新聞

 トヨタ自動車は、社会全体で水素利用の輪を広げるため、「虎の子」といえる自社開発の燃料電池システムの外販に乗り出す。燃料電池車(FCV)は電気自動車(EV)と比べて普及が遅れているが、政府によるインフラ整備などの後押しで水素社会の構築が本格化すれば、航続距離の長さなどFCVの強みが評価される可能性もある。

photo 昨年12月に発売した2代目ミライ(宇野貴文撮影)

 トヨタが2014年に発売したFCVの初代「ミライ」は「究極のエコカー」として注目されたものの、約6年間の累計出荷は1万1000台にとどまった。航続距離が約650kmにとどまり、水素ステーションの整備が進んでいない状況などが壁となった。

 20年12月に発売した2代目ミライは、航続距離を初代の約1.3倍の約850kmに伸ばし、操縦性やデザインにもこだわった。

 ただ、EVと比べてFCVの普及の遅れは歴然としている。日本自動車販売協会連合会がまとめた国内の乗用車の燃料別販売台数によると、20年12月はFCVが278台だったのに対し、EVは1892台。21年1月はFCVが345台、EVは1091台だった。

 しかし、50年までに温暖化ガス排出量の実質ゼロを目指す菅義偉政権は水素を有力なエネルギーと位置付ける。20年12月時点で国内137カ所にとどまる水素ステーションを30年に900カ所に増やす方針だ。

 FCVは同じく二酸化炭素(CO2)を排出しないEVと比べて航続距離が長いうえ、水素の充填にかかる時間はEVの充電よりも短く、物流での利用拡大も期待される。

 菅政権が35年までに新車販売の100%を電動化する目標を掲げるなか、脱炭素化に貢献するFCVの存在感が高まるか注目される。

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