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» 2021年03月12日 07時00分 公開

コンビニ進化、デジタル化で生活インフラとして磨き

東日本大震災から10年、コンビニエンスストアは、大規模災害時の生活インフラとしての存在感を高めてきた。大手各社はデジタル化で情報共有を強化するなどし、被災時にも早期の営業再開を実現する仕組みづくりに磨きをかけている。

[産経新聞]
産経新聞

 東日本大震災から10年、コンビニエンスストアは、大規模災害時の生活インフラとしての存在感を高めてきた。大手各社はデジタル化で情報共有を強化するなどし、被災時にも早期の営業再開を実現する仕組みづくりに磨きをかけている。一方、コンビニを取り巻く環境とともに、社会的役割の在り方も変化している。

photo 地震で棚から落ちて割れたワインの片付けに追われるセブンイレブンのスタッフ=2月14日未明、福島市(芹沢伸生撮影)

 「混乱する現場に負担をかけずに情報把握ができる」。リアルタイムで各店舗の被害状況や配送トラックの位置などが把握できる「セブンVIEW」を2015年から運用するコンビニ最大手、セブン-イレブン・ジャパンの担当者は胸を張る。

 気象庁などのデータとも合わせ、あらゆる情報がモニターの地図上に一元的に表示され、復旧に向けた迅速な措置が可能だ。今春からは店舗側が項目をチェックすれば情報共有できるスマートフォンアプリを導入予定で、「被災店舗の状況がより詳細に分かる」(担当者)という。

 ファミリーマートも16年から店舗や物流センターなどの被害を把握する「ファミマ災害伝言板」を導入。飲料水の安定供給確保に向け、震災当時は宮崎県だけだった飲料水工場を新潟県にも設立した。ローソンは震災後、店舗が特定の配送センターから商品を配送される仕組みを一部見直し、配送センターを切り替えられる仕組みを整備した。

 備えは近年の災害時にも生きている。福島県沖を震源とする2月13日の地震でも停電や商品が散乱する被害が出たが、コンビニ各社は15日には全店舗で営業再開にこぎつけた。

 一方、震災からの10年でコンビニを取り巻く環境も変わった。店舗数は5万店を超え、生活インフラとしての存在感は一層、高まった。ただこの間、人手不足を背景とした店舗経営の厳しさなども浮き彫りに。24時間営業ではない店舗も増えており、社会的役割とのバランスに苦慮する。

 従業員の安全を優先し、大型台風の際は休業するといった措置も進む。大手コンビニ幹部は「従業員の安全や暮らしが成り立ってこそ、生活インフラとしての使命も果たせる」と、意義を強調する。(佐久間修志)

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