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» 2021年03月19日 07時00分 公開

USJのニンテンドー新エリア、視界不良の船出

USJでマリオシリーズの世界を再現した新エリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド」が開業したが、新型コロナウイルスの感染の収束は見通せず、訪日外国人客の集客も当分見込めない。約600億円を投じた新エリアは、視界不良の船出となっている。

[産経新聞]
産経新聞

 大阪市のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)で18日、任天堂の人気ゲーム「マリオシリーズ」の世界を再現した新エリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド」が開業した。新型コロナウイルスの感染拡大で2度の延期を経てようやく開業にこぎ着けたが、感染の収束が見通せず、訪日外国人客(インバウンド)の集客も当分見込めない。約600億円を投じた新エリアは、視界不良の船出となっている。(山本考志)

photo 視界不良の船出となったUSJの新エリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド」=18日、大阪市此花区(須谷友郁撮影)

 「新型コロナが落ち着いたら世界中のみなさんに来てほしい」

 マリオシリーズの生みの親として新エリアを監修した任天堂の宮本茂代表取締役フェローは、オープニングセレモニーで入国制限により訪日が難しいファンにメッセージを送った。

 新エリアは、インバウンド需要を見込み東京五輪前の昨夏の開業を予定していたが、コロナの感染拡大を受け2度延期された。東京ディズニーランド(千葉県)も、2020年4月に予定していた「美女と野獣」がテーマの新エリアの開業を同年9月まで延期している。

 USJは大阪府などの緊急事態宣言が解除された1週間後の3月8日に新エリアの開業日を発表。入場客同士の距離を保つため整理券を配布して入場数を抑える他、エリア内各所にアルコール消毒液を配置し、行列の間隔を広げるなどの感染予防策をとる。

 パーク全体の入場制限も継続し、直近で公表した16年の入場者数と比べて4分の1程度となる1日あたり1万人まで抑制。首都圏の1都3県では緊急事態宣言が今月21日に解除されることになったが、感染者数は増減を繰り返しており、インバウンド需要の回復も見込めないなか、コロナの感染拡大前の集客が戻る時期は見通せない。

 テーマパークに詳しい石崎祥之・立命館大教授(観光マーケティング論)は「テーマパークは、入場者数を増やして中長期的な投資を続けなければ飽きられるという悪循環に陥る。USJは入場制限を続けながらも、グッズや飲食の販売などで客1人当たりの単価を高める戦略が求められる」と指摘している。

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