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» 2021年03月30日 07時00分 公開

「人流データ」を瞬時に解析……スマート街路灯が照らす未来

通行人の性別や年代、人数などをネットワークカメラで解析し、人流データの活用方法を探る社会実証実験が、大阪府枚方市で始まった。スマートシティーに関連したプロジェクトが、2025年大阪・関西万博に向けて本格化する見込み。

[産経新聞]
産経新聞

 通行人の性別や年代、人数などをネットワークカメラで解析し、人流データの活用方法を探る社会実証実験が26日、大阪府枚方市で始まった。府によると、人工知能(AI)やビッグデータを活用し、住民生活の質を向上させる「スマートシティー」に関連したプロジェクトが、2025年大阪・関西万博に向けて本格化する見込み。大阪は映画で描かれているような未来都市になるのだろうか。(守田順一)

photo 枚方市役所前の公園に設置されたスマート街路灯

年齢や性別を高精度で

 枚方市役所前の公園に設置されたのは、大手電機メーカー、NECのスマート街路灯(高さ5.5m、幅・奥行き各30cm)1基。同社が公民連携を目指す市に持ちかけ、3月16日に連携協定を結んだ。同社のスマート街路灯は東京・六本木の商店街などに設置されているが、自治体が導入するのは初めて。

 スマート街路灯は発光ダイオード(LED)照明、スピーカー、電子看板、無線機(LTE)の他、ネットワークカメラを搭載。京阪枚方市駅方面に向かって24時間撮影する。映像からは人の移動方向や性別、年齢、人数といった属性の推定データが瞬時に取得できるのが特徴だ。メガネやマスクの有無も判別でき、性別や年齢は8〜9割の精度で正しく解析できるという。

 公園前の通りは、サラリーマンや買い物客、ベンチでくつろぐお年寄り、親子連れなどさまざまな人が利用。人流データは市とNECが共有するが、懸念される個人情報の扱いについて同社は「撮影と同時にデータ解析し、映像は即時に破棄される。サーバに送るのはデータだけなので、個人を特定する情報は保存されません」と説明する。市も市民に向けて取り組みの内容を告知するという。

 実証実験は2024年3月末まで。当面は電子看板やスピーカーで、時間帯や通行人の属性に応じた情報発信ができる。市では来客予想に基づいたイベントの集客、にぎわいづくり、フードロス削減など民間事業者へのデータ提供を想定しているが、「人流データがどのように使えるか、NECと検討していきたい」としている。

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府内各地で計画

 将来的に街路灯が普及し、広範囲にわたって設置されると、データの収集には好都合だ。事業者は街路灯のLED照明への切り替えを見据え、ネットワークによる照明の一元管理や防犯カメラ、通行状況分析などの機能を付加した製品の開発を進めている。

 京都府木津川市は17年、全国で初めて防犯カメラを連動させた街路灯でスマート化の実証実験を行った。

 大阪府は20年9月、公民共同でスマート化プロジェクトを進めるため、「大阪スマートシティパートナーズフォーラム」を設立した。フォーラムには、自治体や企業、大学、非営利組織、経済団体など245団体が参加。3月25日に発表されたスマート化プロジェクトによると、企業などが持つIoT(モノのインターネット)技術などを活用し、地域の産業や交通、健康などの向上を図る実証実験が府内各地で計画されている。

スーパーシティ構想

 スマートシティーの取り組みを巡っては、欧米やアジアの各都市で積極的な投資や開発競争が進むのに対し、日本は後れを取ってきた。AIやスマートフォンから得られるビッグデータなど新たな技術が生まれていることから、政府は30年ごろに実現される未来社会「スーパーシティ」構想を打ち出し、先行モデルとなる自治体を4月にも指定する。

 あらゆる分野の先端技術を組み合わせ、便利で住みやすい都市へ−。今回の実証実験はその足掛かりとなりそうだ。

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