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» 2021年04月20日 07時00分 公開

ITに疎い上司は「テクハラ」被害者か 「聞いてくれれば教える」「仕事丸投げ」と賛否

ITスキルの高い人が、スキルを持たない人に「こんなことも分からないのか」と発言したり、専門用語を多用して相手を混乱させる「テクノロジーハラスメント」。実際の職場ではどのように受け止めらているのか。

[ZAKZAK]
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 コロナ禍でテレワークやオンライン会議など業務のIT化が、新たな問題を引き起こしている。ITスキルの高い人が、スキルを持たない人に「こんなことも分からないのか」と発言したり、専門用語を多用して相手を混乱させる「テクノロジーハラスメント」だ。部下が加害者、上司が被害者になることが多い「テクハラ」だが、実際の職場ではどう受け止められているのか。

photo ITに関しては部下と上司の逆転現象が起こりがちだ(写真はイメージ)

 20代男性が勤務する東京都内のメーカーでは2020年、コロナ対策の一環として部署内でテレワークが導入された。「オンライン会議の機会が増え、上司のビデオ通話アプリなどの設定作業を手伝った。複雑な操作が必要なアプリは少なく、丁寧に説明すれば慣れない上司もすぐにのみ込んでくれた」と語る一方、「ショートカットキーを使うと『何それ?』と聞かれ、その都度説明することも。正直『知らないのか…』と思うことはある」とも漏らす。

 都内の金融機関に勤める20代女性は「オフィスのパソコンに2台目のモニターが支給されたとき、なぜか上司は接続して使おうとしなかった。設定が分からなかったのだろうが、誰にも相談しない。聞いてくれれば教えるし、別に恥ずかしいことでもないと思うが」と首をかしげる。

 こうした上司に対して部下が嫌がらせのような言動を見せた場合、パワハラやセクハラと同じく深刻な問題になるのか。

 多様な働き方などを調査するツナグ働き方研究所の平賀充記所長は「厚生労働省はパワハラを『職場において行われる優越的な関係を背景とした言動』などと定義しており、ITスキルの有無によって優越的関係が生じるとすれば、テクハラを一種のパワハラと考えることもできる。ITに関わる知識は全体的に若い世代のほうが詳しいことから、部下から上司への“加害”という構図が多く、上司はプライドを傷つけられたように感じてしまう」と解説する。

 ネット上では、「ITスキルがないからといって、分かる人に仕事を丸投げするのもテクハラだ」「知識がない方が悪い」「そもそも伝え方の問題だ」などの声があり、賛否両論だ。

 前出の平賀氏は、「上司だからといって完璧である必要はない。相手が部下でも素直に相談すればよく、部下も、上司にも分からないことがあると理解することが重要だ。互いを認め合えば組織内のタテ社会的な雰囲気も改善され、パワハラをなくすきっかけにもなるだろう」と提言した。

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