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» 2021年05月07日 07時00分 公開

電車・バスのVisaタッチ決済、コロナ後にらみ地方で広がる 都市部へ逆流も

鉄道やバスなどの公共交通機関で、クレジットカードを端末にかざして運賃を支払う「タッチ決済」が地方を中心に広がりつつある。導入費用が交通系ICカードより安い点もメリットとされ、都市部でも試験導入する動きが出てきている。

[産経新聞]
産経新聞

 鉄道やバスなどの公共交通機関で、クレジットカードを専用端末にかざして運賃を支払うタッチ決済を導入する動きが地方を中心に広がりつつある。新型コロナウイルスの感染収束後をにらみ、訪日外国人客が使い慣れたカードで簡単に決済できる環境を整える狙いだ。導入費用が現在普及している交通系ICカードより安い点もメリットとされ、都市部の鉄道でも試験導入する動きが出てきている。(黒川信雄)

photo 南海電気鉄道が試験導入したクレジットカードのタッチ決済対応の自動改札機(同社提供)

 鉄道で口火を切ったのは天橋立など京都府北部の観光ルートを走る京都丹後鉄道。2020年11月に全線で米Visaのタッチ決済で運賃が支払えるようにした。

 バスでは20年7月に茨城交通がVisaのタッチ決済を高速バスで導入した他、21年3月には京阪グループの京福バス(福井市)が観光路線などに採用した。

 こうした動きは都市部にも拡大している。4月3日からは、南海電気鉄道がなんばや新今宮、関西空港など16駅でタッチ決済の実証実験を開始。福岡市地下鉄も16日から、タッチ決済を活用した1日乗り放題きっぷの試験販売を始めた。

 各社が狙うのがコロナ収束後を見据えた訪日客需要の取り込みだ。コロナの感染拡大前、訪日客で溢れた各地の空港や観光地周辺の駅では、外国人観光客が慣れない切符購入に戸惑ったり、有人窓口に長蛇の列をつくったりする光景がみられた。彼らの多くが保有するクレジットカードで決済できれば、移動が大幅にスムーズになる。券売機を操作する必要もなく、非接触で感染症対策になるメリットもある。

 Visaはカードの更新時などに合わせてタッチ対応カードへの切り替えを進めており、現在同社のカードを利用した対面取引の4割超はタッチ決済になっている。海外主要都市の公交通機関でも導入が進んでおり、日本国内での対応カードの発行枚数は3000万枚を超えたという。 

 日本ではすでに、多くの公共交通機関で「ICOCA」や「PITAPA」など、JR系や私鉄系のICカード決済サービスが普及している。大手私鉄関係者は「訪日客の利便性を高めるために導入するメリットがどこまであるか、まだ見通せない」と指摘する。

 ただ、クレジットカードのタッチ決済システムの導入は、ICカードの決済システムより「はるかに廉価」(地方の鉄道事業者)。乗客が少なく路線も短い地方の鉄道会社では、コストへの懸念からICカード対応を見送るケースが多かったことから、タッチ決済への期待が大きい。

 タッチ決済には小人料金が支払えないなど技術的な課題も残る。それでも、人口減少などを背景に乗客数の中長期的な減少が見込まれる中、訪日客需要の取り込みに優位とみなされれば都市部でも導入機運が高まる可能性がある。

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