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» 2021年05月28日 07時00分 公開

オンキヨー、AV事業売却 音楽デジタル化に対応できず 

オンキヨーホームエンターテイメントが、オーディオやスピーカーなどのAV機器事業を売却することになった。オンキヨーは音楽市場で進むデジタル化への対応に遅れ2期連続で債務超過となっており、経営再建のため70年以上続けてきたAV事業を手放さざるを得なかった。

[産経新聞]
産経新聞

 オンキヨーホームエンターテイメントが、オーディオやスピーカーなどのAV機器事業をシャープと米音響機器メーカーに売却することになった。オンキヨーは音楽市場で急激に進むデジタル化への対応に遅れ2期連続で債務超過となっており、経営再建のため70年以上続けてきた祖業を手放さざるを得なかった。

photo 音質に定評のあるオンキヨーホームエンタテインメントのオーディオ機器

 「このまま自らの力のみで事業運営を続けていくことは困難」。オンキヨーは26日、AV機器事業の売却に至った理由をこう説明した。

 同社は松下電器産業(現パナソニック)出身の五代武氏が「大阪電気音響社」として1946年に創業。音質を追求したオーディオ機器を手掛け、名門ブランドとして海外でも高い評価を受けてきた。

 転機となったのは01年に米Appleが発売した携帯音楽プレーヤー「iPod」だ。インターネットによる音楽配信サービスが急速に普及した。Appleは08年にはスマートフォン「iPhone」を発売。イヤホンやヘッドホンで音楽を楽しむスタイルが定着した。

 逆風の中、オンキヨーは12年に米老舗楽器メーカーのGibsonと業務・資本提携し、15年には「オーディオ御三家」の一角とされたパイオニアからAV事業を買収。ハイレゾ音源の音楽配信やオーディオに特化したパソコンの商品化など音質にこだわりながらデジタル化を進めたが、オーディオ市場の縮小に対応できず14年3月期から5期連続の最終赤字となった。

 19年5月にも米オーディオメーカーへのAV事業売却を試みたが破談に。資金調達に奔走したものの19年3月期から2期連続の債務超過となり、東京証券取引所ジャスダック市場の上場廃止基準に抵触。7月末ごろに上場廃止となる見込みだ。

 オンキヨーの近年の経営状況について、東京商工リサーチの担当者は「音楽を聴く様式が急速に変化し、アンプやコンポの需要がじり貧となる中、オンキヨーは時代の移り変わりに対応したヒット製品を生み出せなかった」としている。(山本考志)

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