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» 2021年06月03日 07時00分 公開

うどん×粒あん×かまぼこ 老舗が共闘、オンラインツアー

観光タクシーがうどん店をめぐる様子をWeb中継して、自宅にいながら食事も楽しむという「オンラインうどんタクシー」のツアーに新たな名物が登場した。新型コロナウイルスの感染拡大で、長期にわたってダメージを受ける観光産業だが、事業者同士で手を取り合って活路を模索する取り組みにもなっている。

[産経新聞]
産経新聞

 観光タクシーがうどん店をめぐる様子をWeb中継して、自宅にいながら食事も楽しむという琴平バス(香川県琴平町)の「オンラインうどんタクシー」のツアーに新たな名物が登場した。明治時代創業の2つの老舗がタッグを組んだ限定商品「あんこ天」で、うどんとともに楽しんでもらおうと開発された。新型コロナウイルスの感染拡大で、長期にわたってダメージを受ける観光産業だが、事業者同士で手を取り合って活路を模索する取り組みにもなっている。

これが天ぷら?

 あんこ天といっても、あんこに衣をつけて揚げた天ぷらではない。西日本では揚げかまぼこを「天ぷら」と呼ぶ地域も少なくないが、粒あんを揚げかまぼこで挟んだものが今回のあんこ天だ。

photo 寛永通宝の焼き印が入った天ぷら(揚げかまぼこ)に粒あんをたっぷり挟んだ「あんこ天」=香川県観音寺市観音寺町の山地蒲鉾

 開発したのは、香川県観音寺市にある「山地蒲(かま)鉾(ぼこ)」(山地基嗣(もとつぐ)社長)と、うどん・もち店の「本場かなくま餅福田」(福田宏明店主)。ともに1907年創業の老舗で、両店の担当者が「特別感のある新しいものを」と相談し、双方の名物自慢の味をかけあわせることになった。

 山地蒲鉾の揚げかまぼこと、かなくま餅福田の自家製粒あんをあわせてあんこ天。試行錯誤を繰り返し、開発には約1カ月かかった。こだわったのは「マカロンのようなかわいい見た目」。うどんとの相性もばっちりだ。

本場の味を自宅で

 ツアー参加者の自宅には事前に、あんこ天などのかまぼこや、ざるうどん2人前、旅のしおり、紙製のシートベルトなどが届く。

 案内役は、ツアーを主催する琴平バスのドライバー、多田純さんが務める。参加者は、ビデオ会議サービス「Zoom」を使用して、高松空港からタクシーに乗り込むという設定で、自宅などでツアーを楽しむ。

photo オンラインうどんタクシーのPRをするドライバーの多田純さん(右)と山地蒲鉾の正田智香さん(琴平バス提供)

 琴平バスでは、ドライバーの案内で、客の好みに合わせたうどんの名店を巡回する「うどんタクシー」のサービスが人気だが、コロナ禍で予約が激減。20年8月から「ともに苦しんでいる地元の店を応援しよう」とオンラインツアーを続けてきた。

 今回の限定ツアーでは、案内役の多田さんが、店を訪れる様子をライブ中継し、商品などを紹介。移動中は多田さんが運転する車内の様子を実況し、うどん店では、おいしいうどんのゆがき方のレクチャーもある。

photo 本場かなくま餅福田のざるうどんと山地蒲鉾のツアー限定かまぼこセット(右奥)=香川県観音寺市の本場かなくま餅福田

 ツアー参加者もアドバイスを受けながら、届いたうどんを自宅でゆがいて、実食。本場の味を堪能するというプランになっている。

難関突破のプロが案内

 ツアーを企画する琴平バスで、うどんタクシーのドライバーになるためには、難関の社内試験を突破しなくてはならず、多田さんも試験を通過した一人だ。

 志願者は筆記、実地、うどん手打ちの3つの試験があり、筆記では「〇〇うどん店の注文のしかたは」「ぶっかけうどんとは何か説明せよ」などと細かい知識も試される。

 多田さんは「ツアーでは店に行った気分を味わってほしい。『落ち着いたら香川を訪ねてみよう』という気持ちになってもらえたらうれしい」と話している。

 限定ツアーは6月5日と7月17日の2回でそれぞれ午後2時出発。料金4980円(北海道と沖縄は追加送料1000円)。

 締め切りはそれぞれ6月1日と7月13日。締め切り日の午後6時までに、うどんタクシー、コトバスツアーのWebサイトか電話で予約する。(和田基宏)

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