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» 2021年06月10日 07時00分 公開

公取委、行政システム受注の「囲い込み」を調査

公正取引委員会は、政府や地方自治体が調達する情報システムの契約状況について実態調査を始めた。企業が情報システムに独自の仕様を用い、特定のIT企業が今後の保守などを受けやすくするといった、独禁法に問題があるケースが起きていないかなどを確認する。

[産経新聞]
産経新聞

 公正取引委員会は、政府や地方自治体が調達する情報システムの契約状況について実態調査を始めた。企業が開発を受注した情報システムに独自の仕様を用い、特定のIT企業が今後の保守や管理などを受けやすくするといった、独占禁止法上の問題があるケースが起きていないかなどを確認する。デジタル庁発足後、行政システム改革に向けた大型調達も予測される中、公取委は競争性が高まるよう調達環境の整備も視野に入れる。

 公取委は6月に入り、官公庁や地方自治体など約1800機関に対し、アンケートを送付。行政側の体制を含めた契約状況などについて、専用サイトでの回答を求めている。

photo 公正取引委員会=東京都千代田区(宮川浩和撮影)

 今回、課題視される「囲い込み」はベンダーロックインと呼ばれる。情報システムに機能や仕組みを搭載する際、受注するIT企業の独自技術を組み込み、運用後の保守やシステム改修といった別の入札でも、独自技術を理由に特定の企業が担当せざるを得ない状況を作り出す。発注側のIT人材の不足も一因だが、受注した企業側が独自仕様の導入を求めたかなども調査されるとみられる。

 会計検査院が5月に公表した2018年度の政府情報システムに関する会計検査結果によれば、省庁発注の競争契約423件のうち、7割超の313件で入札に参加したのが1業者だけの「1者応札」だった。契約別の1者応札は「新規開発」は59.2%で、「既存システムの改修」は94.1%に達していた。

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