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» 2021年07月13日 07時00分 公開

生徒会選挙でネット投票 公職選挙も 茨城県の県立中高一貫校

茨城県つくば市の県立並木中等教育学校は、市と共同で生徒会選挙の一部でインターネット投票を実施した。市は国が進める「スーパーシティ構想」で国家戦略特区の指定を目指しており、ネット投票はその目玉の一つ。実験を通じて課題を検証し、2024年に任期満了を迎える市長選、市議選での本格導入を目指している。

[産経新聞]
産経新聞

 茨城県つくば市の県立並木中等教育学校は、市と共同で生徒会選挙の一部でインターネット投票を実施した。市は国が進める「スーパーシティ構想」で国家戦略特区の指定を目指しており、ネット投票はその目玉の一つ。実験を通じて課題を検証し、2024年に任期満了を迎える市長選、市議選での本格導入を目指している。

 同校は中高一貫校で、約900人の生徒が在籍する。今回、生徒会選挙でネット投票を行ったのは高校1年生に当たる4年生160人のうち、前日や当日の欠席者を除く130人。ネット投票には、文部科学省や筑波大、民間企業なども協力した。

 個人所有や企業が貸し出したスマートフォンを利用し、専用アプリを用いてスマホの生体認証などで本人確認した後、特設ページから投票。投票情報は暗号化されて管理・集計されるため、改ざんは困難だという。

 同校では投票に先駆け、「主権者教育」で選挙の仕組みや意義、デジタル技術がもたらす変化、通信インフラの仕組みなどについて学んできた。この日は、どこからでも投票できるというネット投票の利点を生かして、生徒たちは教室のほか、生徒ホールなどから投票を行った。

 ネット投票を行った海老根聡太さんは「使い慣れたスマホでの投票は本当に手軽だ。市長選などで導入されたら自宅でリラックスしながら投票ができる」と歓迎していた。

 市によると、高校生によるネット投票を企画した背景には、若年層の政治離れがある。20年10月に同日選で実施された市長選、市議選では投票率がいずれも51.60%と過去最低を記録。年代別では20〜24歳の若者世代が26.05%(抽出調査)と最も低かった。

 これを重く見た市は、スマホなど若者が親しんでいる情報端末を利用し、ネット投票の実施で政治参加意識を高め、投票率の向上を目指すことを計画。開票時間の短縮により人件費を抑える狙いもあるという。これまでも公募案件の採択など、3年間にわたり実証実験としてネット投票を行ってきた実績があり、将来的には公職選挙で使うことも検討していた。

 市政策イノベーション部の森祐介部長は「ネット投票は若者だけでなく、足が不自由な高齢者や障害者の投票率向上も期待できる。市として積極的に導入を目指したい」と話している。(篠崎理)

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