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» 2021年09月30日 07時00分 公開

AIカンニング防止へ、日本棋院が抜き打ち荷物検査

囲碁の日本棋院(東京都千代田区)がこのほど、対局中に抜き打ちで所持品検査を始めた。スマートフォンなど電子機器でAIを不正に使用し着手するのを防ぐための措置だ。

[産経新聞]
産経新聞

 囲碁の日本棋院(東京都千代田区)がこのほど、対局中に抜き打ちで所持品検査を始めた。スマートフォンなど電子機器でAIを不正に使用し着手するのを防ぐための措置だ。

 東京本院では23日、35対局が行われていた。昼食休憩が終わり再開された直後、8対局が実施されていた一室に入った棋戦運営担当常務理事の青木喜久代八段が「これから荷物検査をするので、済むまで対局を始めないでください」と告げ、金属探知機を使用しチェックを始めた。金属のチャック類にも反応するため、バッグをあけてもらい中身まで調べる念入りなもの。靴にも探知機を当てていた。

 所属棋士には、抜き打ちで検査することもあると事前通達してあった。ただ、職員と手分けしたものの16人を調べるのに10分近く要したため、集中できなかった男性棋士が、室外で様子を見守っていた小林覚理事長に「対局が始まる前にできないのか」と訴える場面も。小林理事長は「抜き打ちでないと意味をなさない」などと説明していた。

 青木常務理事によると、充電アダプターを持っていた人はいたが、電子機器そのものはなかったという。

 電子機器の不正使用を防ぐため、日本棋院では2018年10月から、スマホなどは対局前に館内のロッカーへ預け、自身の対局が終了するまで取り出せないルールを決めた。通信機能を備える電子機器の所持が判明した場合、当該対局は反則負けとなる。21年1月からは休憩時も含め、対局場から外出することも禁じられている。

 短期間で浸透したAIソフトをパソコンやスマホにダウンロードし、自身の棋力向上に役立てている棋士は多い。韓国では20年、オンライン対局でAI搭載ソフトを利用し対局に臨んでいた棋士がいたことが判明、1年間の対局停止処分を受けた。青木常務理事は「AIの使用が簡単になってきている。検査はやりたくないが、時代の流れに合わせて対策を立てる必要がある」とし、今後も抜き打ちで検査を行う意向を示した。(伊藤洋一)

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