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» 2021年10月19日 10時00分 公開

SNSによる児童の性被害を防げ 新潟県警が強化

SNSを通じて児童が性犯罪などに巻き込まれるケースが新潟県内でも増えている。県警はサイバーパトロールを強化するとともに、教員向け研修会を行うなどして歯止めをかけようとしている。

[産経新聞]
産経新聞

 TwitterなどのSNS(会員制交流サイト)を通じて児童が性犯罪などに巻き込まれるケースが新潟県内でも増えている。若い世代にインターネットで知り合った見ず知らずの人と会うことに抵抗感がないことなどが背景にある。県警はサイバーパトロールを強化するとともに、教員向け研修会を行うなどして歯止めをかけようとしている。

photo SNSによる性被害などの防止に力を入れている新潟県警(本田賢一撮影)

重大犯罪が増加

 県内で、SNSがきっかけで犯罪に巻き込まれた18歳未満の児童は2018年が29人、19年が32人、20年が40人と増加傾向にある。21年は1〜8月の間に24人が被害に遭っており、20年の同期間(20人)を上回っている。

 罪種別にみると、殺人、強盗、略取誘拐、強制性交といった重要犯罪に巻き込まれるケースが増え、19年は1人だったのが20年には5人。21年は1〜8月だけで6人と、データがある15年以降で最多となっている。

 県警の資料によると、16歳の女子高生がSNSで知り合った男(32)からドライブに誘われ、車内で睡眠薬入りジュースを飲まされ、眠っている間にわいせつ行為をされるという事案が過去に起きている。

 また、10月5日には、埼玉県北本市の土木作業員(36)が、SNSで知り合った新潟県内の10代の少女を自宅アパートに誘い出し、未成年と知りながら誘拐したとして、未成年者誘拐の疑いで逮捕された。

裸の画像が拡散

 18歳未満の児童に、わいせつな画像や動画(児童ポルノ)を撮って送るよう求めるなどする犯罪も増加。21年1〜8月に児童ポルノの被害に遭った県内の児童は、20年同期間の5倍以上の11人に達した。

 女子高校生が付き合っている男子生徒から「俺のことが好きなら裸の写真を撮って送って」と言われ、断り切れずに送ったところ、その画像がクラスの他の男子生徒に転送され、ネットに拡散されたという事案が過去には起きている。

 県警少年課の脇屋栄次長は「スマートフォンの普及により、気軽に撮れるようになったことも背景にあるようだ」とみている。

さまざま取り組み

 県警はこうした犯罪を抑止するため、Twitterを対象にしたサイバーパトロールを強化。被害者が最も多く利用していたSNSがTwitterだからだ。

 児童による援助交際の勧誘や下着販売などの書き込みを発見したら、その書き込みに対し、性犯罪被害につながるおそれがあるとの警告メッセージを送る。同様に、援助交際を求めるような書き込みにも警告メッセージを送る。

 この他、県警職員が学校に出向き、教職員を対象に児童の被害の実態について研修も行っている。

 9月末には県立新潟南高校(新潟市中央区)の教職員約50人を前に、具体的な被害事例を示し「たとえ相手が付き合っている人でも、下着姿や裸の写真を送ることは健全な関係ではないことを、私たち大人が教えてあげなくてはいけない」などと指導した。

 同校の2学年主任、羽賀己生さん(47)は「当校には、ネットトラブルの事例を生徒がグループで考えるSNS教育プログラムがあるので、そこで県警の研修会の内容を生かしていきたい」と話した。

 スマートフォンを持つのが当たり前になる中、SNSをきっかけにした犯罪を防ぐには、警察だけでなく学校、家庭が一体となった取り組みが必要になる。(本田賢一)

photo 新潟県警が教職員向けに行っているSNS研修会=新潟市中央区の県立新潟南高校(本田賢一撮影)

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