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» 2021年10月20日 07時00分 公開

マイナカード促進へ「3万円」付与 衆院選で公約

政府がマイナンバーカードの普及策で健康保険証としての利用に加えて注力するのが「マイナポイント」事業だ。衆院選公約で公明党が一律3万円の追加付与を掲げ、岸田文雄首相も乗り気をみせる。

[産経新聞]
産経新聞

 政府がマイナンバーカードの普及策で健康保険証としての利用に加えて注力するのが、カードの取得者にスマートフォン決済などで利用できるポイントを還元する「マイナポイント」事業だ。衆院選公約で公明党が一律3万円の追加付与を掲げ、岸田文雄首相も乗り気をみせる。ただ、こうした“ニンジン作戦”には、普及効果を疑問視する財務省が立ちふさがっている。

photo 個人番号カード交付円滑化推進本部が発足し、公式キャラクター「マイナちゃん」(右)とともに看板を掲げる高市早苗総務相(当時)=2015年10月、総務省(大坪玲央撮影)

 「マイナンバーカード普及の強力な後押しと、消費喚起を促すため、1人当たり3万円のポイントを付与する新たなマイナポイント事業の創設を提案する」

 公明党の石井啓一幹事長は10月12日、衆院本会議の代表質問でこう指摘。首相も「与党の議論を踏まえながら検討を進める」と応じたことで、新たなポイント付与が現実味を帯びている。

 2020年9月に始まったマイナポイント事業は既に最大5000円のポイントを還元しており、追加付与となれば普及に一定の効果はありそうだ。全国の自治体で最もマイナカードの交付率が高い石川県加賀市は20年6月、カード保有者と新たに申請した人に対しマイナポイントとは別枠で市内で使える5000円分の商品券を配布。交付率は21年10月1日現在で70%となり、配布前の20年5月(13.7%)から飛躍的に上昇した。

 ただ、マイナポイント事業は、最大5000万人を想定していた利用者が5割弱にとどまるなど伸び悩む。そのため政府は当初3月末までだったポイント取得期限を12月末まで延長した。4月末までにマイナカードを取得した人が対象だ。

 申し込みが進まない理由の一つに利用手続きの煩雑さが挙げられる。スマホ決済や交通系ICカードで入金や決済すると決済額の25%が還元される仕組みだが、サイトで「予約」(IDの発行)と「申し込み」という2段階の手続きを行う必要がある。スマホの利用に慣れない人からは分かりにくいと評判が悪く、手続きの簡略化が不可欠だ。

 選挙後の財政支出拡大を警戒する財務省からも待ったがかかる。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は11日の分科会で、マイナポイント事業によるカードの普及効果には「限界がある」と指摘。事業開始後もマイナカードの交付率が伸び悩んでいるのは事実で、自治体での申請サポートなど、お金を使わない普及策も併せて検討する必要がありそうだ。(林修太郎、大坪玲央)

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