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» 2021年10月22日 07時00分 公開

利用者急増のロシア発通信アプリ「Telegram」使ってみた 秘匿性高く悪用の懸念も受け皿の一つに

FacebookやInstagram、WhatsAppで大規模障害が発生した際、約7000万人のユーザーを獲得したのがロシア発のTelegramだ。秘匿性が高いため悪用を懸念する声もあるが、専門家は「LINEに問題があれば受け皿となる可能性もある」との見方を示す。

[ZAKZAK]
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 米SNSのFacebookや傘下の「Instagram」「WhatsApp」で大規模障害が発生した際、約7000万人のユーザーを獲得したのがロシア発の通信アプリ「Telegram」だ。秘匿性が高いため悪用を懸念する声もあるが、専門家は「LINEに問題があれば受け皿となる可能性もある」との見方を示す。そこで記者が実際に使ってみた。

photo 「Telegram」のダウンロード画面

 Telegramは2013年にロシアのIT起業家、パーベル・ドゥロフ氏が開発した。2021年1月時点の月間アクティブユーザーが約5億人に達したといい、米調査会社センサータワーによると、8月には世界で15番目にアプリのダウンロード数が10億回を超えたという。

 ITジャーナリストの三上洋氏は「公式で日本語化されていないため日本での知名度は低いが、通信アプリではWhatsAppや中国系『微信』に並ぶ規模のユーザーがいる」と解説する。

 通信の秘匿性が高く、通信記録も一定時間で自動消去されることから、日本では薬物売買や特殊詐欺、強盗犯などに使われているとの指摘もある。海外ではイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)も利用していたとされる。

 Telegramを使うには、スマートフォンにアプリをダウンロードし、端末の電話番号とひもづけしてアカウントを開設する。英語表示ではあるが、電話番号入力後、送られてきたショートメールに記載された認証コードを入力するだけのシンプルな工程だ。

 アカウントは端末の電話帳と同期させることもできるので、Telegramを使用している電話帳内の人物とは自動でつながることができる。それ以外のアカウントとは、主に電話番号検索やアプリ内で設定したIDを検索して友達に追加できる仕組みだ。連絡手段はチャット、音声通話、ビデオ通話の3種類。チャットにはスタンプ機能もあり、いずれもLINEとほとんど変わらない使い心地だった。

 Telegramの秘匿性を生かしたのが「秘密のチャット」と呼ばれる機能だ。自分の投稿を自動で削除するタイマーを設定できるものだが、相手の既読を待たずメッセージが消える可能性もある。

 また、秘密のチャット画面を保存しようとスクリーンショットを撮影すると相手に通知されるという徹底ぶりだ。

 日本国内の通信アプリはLINEが圧倒的シェアを占めるが、3月には利用者の個人情報が業務委託先の中国の関連会社から閲覧できたことも発覚した。

 三上氏は「安全保障の観点から考えても、日本で利用される通信アプリがほとんどLINEという現状のままでいいとは思えない。ネガティブな印象もあるが、単純にアプリの機能を検討すればTelegramは十分LINEの受け皿となりうるものではある」と語る。

 日本でも健全なユーザー増加を狙えるのか。

photo Telegramの「秘密のチャット」画面(一部画像処理しています)

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