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» 2021年11月01日 07時00分 公開

SNSの罠 国際ロマンス詐欺 狙われる中高年

国際ロマンス詐欺が近年なって増えている。大阪府警が詐欺に加担したとして6人を逮捕した事件では、30〜70代の男女66人が計約1億4000万円をだまし取られていた。ターゲットになっているのは、懐に比較的余裕のある中高年が中心のようだ。

[産経新聞]
産経新聞

 会員制交流サイト(SNS)上などで知り合った海外の相手に恋愛感情を抱かせ、金銭をだまし取る「国際ロマンス詐欺」。近年、直接顔を合わさないネット上の交流が一般的になってから増えた犯罪だ。大阪府警が詐欺に加担したとして6人を逮捕した事件では、30〜70代の男女66人が計約1億4000万円をだまし取られていた。ターゲットになっているのは、懐に比較的余裕のある中高年が中心のようだ。

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一度も会わないまま

 《将来結婚しよう》《愛しているよ》

 東京都に住む40代女性の元には、無料通信アプリ「LINE」を通じてこうしたメッセージが頻繁に届いていた。送り主は、マッチングアプリで知り合った日本在住のカナダの外交官、「グレッグ・ドラーク」を名乗る男性。一度も会ったことがないが、連絡を取り合ううちに恋心を抱き、メッセージのやりとりを続けていた。

 そのうち男性は、日本に荷物を輸入する際に発生する代金の立て替えを頼んできた。《(スイスに保管している)亡き父の宝石を日本に持ち帰りたい》《日本に持ち込むための関税が200万円かかる》と伝えられ、女性は男性が指定した口座に約210万円を振り込むことに。さらにその後も運送会社に支払う保険料や証明書の手数料といった名目で、数回にわたり計約150万円の送金を頼まれたという。

ガーナに拠点か

 次第にエスカレートしていった金銭の要求。女性は違和感を覚えるようになったが、連絡を断つことはできなかった。だが、男性と連絡を取り始めて約5カ月たったころ、大阪府警が詐欺グループが利用していた口座を発見。入金履歴などから女性の被害が明らかになった。

 府警は2021年6〜9月、口座を開設するなどしたとして、西宮市の会社役員の男(72)=詐欺罪などで起訴=ら6人を相次いで逮捕した。これまで30〜70代の日本人男女66人の被害が明らかになっており、被害総額は約1億4000万円に上る。

 ただ、府警幹部は「今回逮捕されたのは、末端の立場の人間だ」と明かす。被害金の送金先から、首謀者はアフリカ・ガーナに拠点を置く国際的な犯罪組織とみられ、府警は引き続き詳しく調べている。

甘い言葉を何度も

 詐欺グループが送るメッセージは、荒唐無稽な内容が目立つ。にもかかわらず、だまされる人は後を絶たない。国際ロマンス詐欺に詳しい作家でカウンセラーの新川てるえさん(57)は「まめに連絡をとるうちに、マインドコントロールにかかってしまう」と指摘する。

 新川さんによると、犯罪グループはSNSなどで軍人や医師、投資家など社会的地位のある立場の人間に成り済まし、ターゲットに接触を図るケースが多い。連絡先を交換すると、一日に数十通のメッセージを送ることもあり、「君のような女性が理想だ」などと日本人なら赤面してしまうような甘い言葉を何度も投げかけるという。

 相手から好意を感じられるようになったら、次の段階に移る。ビジネスの失敗や家族の病気といった災難をでっちあげ、入院費用などとして金銭を要求するのが常套(じょうとう)手段。被害者は周囲に相談する時間も与えられないまま、「何かしてあげないと」と情にほだされ、だまされてしまう。

 新川さんは「お金を払うと『感謝している。一生君を大切にする』と言われ、相手をもっと好きになる。優しくされたことで詐欺と受け入れられず、次々と現金を送金する被害者もいる」と説明。懐に比較的余裕のある中高年の被害者が多いといい、「SNSで出会った外国人から金銭を要求されたら、まずは不審に思ってほしい」と呼び掛けている。(宇山友明)

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