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» 2021年11月09日 07時00分 公開

「半導体不足」直撃 自動車業界の苦悩いつまで……納車1年遅れの車種も

世界的な半導体不足が長引く中、自動車メーカーは工場の稼働停止や大幅減産に追い込まれている。日本では新型コロナウイルスの感染者が減り、リベンジ消費への期待も集まっているが、納車時期が数カ月から1年遅れという車種もあるという。

[ZAKZAK]
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 世界的な半導体不足が長引く中、自動車メーカーは工場の稼働停止や大幅減産に追い込まれている。その大きなあおりを受けているのが現場の販売店だ。日本では新型コロナウイルスの感染者が減り、リベンジ消費への期待も集まっているが、納車時期が数カ月から1年遅れという車種もあるという。

 日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)によれば、10月の国内新車販売台数は前年同月比31.3%減の27万9341台となり、1968年の統計開始以来、10月として過去最低となった。

 トヨタ自動車が42.2%減、マツダは25.8%減、日産自動車は13.9%減だった。半導体不足やコロナ禍によるサプライチェーン(供給網)の混乱が、工場の稼働停止を長引かせ、各メーカーの減産につながった。

 いまや半導体は自動車生産で必要不可欠だ。エンジン制御やパワーステアリングといった基本性能だけでなく、カーナビやキーレスエントリー、速度を制御するクルーズコントロールやレーンキープ・アシストなど運転支援装置にも幅広く使用される。一般的には1台当たり数十個から100個程度の半導体が必要とされるが、自動運転化が進めば数千個の半導体が必要ともいわれている。

 半導体が世界的な奪い合いとなっている状況は、新車購入を検討する人にとっても、人ごとではない。

 トヨタ系の販売店、ネッツトヨタ千葉の担当者によると、車種やグレード、選択するオプションによって納期は異なるが、「通常よりも数カ月程度、納車が遅れている。なかには1年程度納車待ちの場合もある」という。

 ホンダ10月21日時点で、工場出荷時期のめどとして、人気車種「ヴェゼル」のガソリン車で半年以上、「フリード」のガソリン車で通常より2カ月程度の遅延としている。同社広報部は「多くの車種が通常よりも半導体不足の影響を受けている状況だが、N-BOXなど影響が小さい車種もある」と回答した。

 輸入車を販売するヤナセ広報宣伝室は「納車を待っている状況が続いており、随時各メーカーに問い合わせている。お客さまの多くが、報道によって半導体不足をご理解いただいている」と説明する。半導体不足の影響を大きく受けていない車種もあるという。

 また、別の販売店担当者は「納車が長すぎてキャンセルする人や比較的新しい中古車の購入を検討する人もいる。車検切れに合わせて新車を用意できないこともあるが、販売店として納車時期を約束できないのでどうすることもできない」と本音を漏らす。

 全軽自協の担当者は、先行きについて「まだまだ不透明」と答えるが、半導体不足はいつまで続くのか。

 車載部品を製造するパナソニックの梅田博和最高財務責任者(CFO)は10月28日の記者会見で、「中国で経済指標が少し落ちてきている。半導体の取り合いでしばらく逼迫(ひっぱく)は続くが、(中国の)減退に伴って供給も若干改善してくるのではないか。2021年度いっぱい綱渡り的な調達になるが、22年度以降、(中略)改善に向かうのではないか」との見通しを示した。

 しばらくは影響が続きそうだ。

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