ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >
ニュース
» 2022年01月14日 07時00分 公開

駐車場にもキャッシュレス化の波 コロナ対策 スマホで支払い、集金省力化

コロナ禍で有料駐車場のキャッシュレス化が進んでいる。機器・サービス企業はスマートフォンでの支払いを可能にする決済システムを提供。駐車場運営会社にとっては集金・管理業務の省力化につながることが期待されている。

[産経新聞]
産経新聞

 コイン決済が一般的だった有料駐車場でキャッシュレス化が進んでいる。新型コロナウイルスの流行で感染防止のため、非接触決済の利用が広まり、少額では電子マネーが急拡大。キャッシュレス決済が定着しつつあることから、機器・サービス企業はスマートフォンでの支払いを可能にする決済システムを提供するなどして、駐車場を使うときの手間を減らし、利便性を高めている。駐車場運営会社にとっては集金・管理業務の省力化につながることが期待されている。

photo 駐車場運営会社大手のエコロシティが展開する駐車場で稼働する大都テクノロジーズの「SSレモン」=東京都新宿区(大都テクノロジーズ)

 駐車場向け精算機の製造販売などを手掛ける大都テクノロジーズ(東京都北区)は、複数の電子マネーに対応した次世代精算機「SSレモン」を開発。小型カメラや車両の入出庫、料金計算を行うクラウド型の管理システム「CREVAS」などと合わせてシステム販売する。

 CREVASは人工知能(AI)を搭載。AIが、小型カメラがとらえたナンバープレートの文字や数字の画像データを解析し、夜間でも認識する。駐車場の入庫と出庫の時間の記録も自動的に行い、チケットは発券しない。料金は駐車場に設置したSSレモンにスマホをかざして電子マネーなどで支払う。今夏にはスマホアプリを使ったオンライン決済も追加する計画だ。

 費用は、SSレモンが1台につき45万円程度から、クラウドサービスであるCREVASの利用料も月5000円以下と、同種のシステムとしては最も安価なレベルに抑えられている。

 同社の木原哲社長は「常時売り上げや稼働状況を確認できる機能も搭載しながらローコストも実現した。将来的には国内駐車場管理システム市場でシェア50%以上、5万カ所以上の導入を目指す」と意気込む。

 駐車場のキャッシュレス化に向けた取り組みは大手企業も力を入れる。三菱地所は、グループの駐車場管理・運営会社である三菱地所パークス(東京都千代田区)などと共同で、スマホ決済に対応したクラウド型の駐車場管理システム「CREPE(クレープ)」を構築。2021年夏に神奈川県横須賀市内で実施した実証試験の結果を検証した上で、4月から本格運用する。

 同システムでは、近隣店舗の利用情報と駐車場内の自動精算機とを連携させて、店舗が提供する割引・無料サービスに対応することも可能だ。入出庫はカメラによるナンバープレートの認識で管理する。スマホアプリに車両の登録番号を入力しておけば駐車予約もできる。駐車券は用いず、スマホアプリのQRコードを提示するだけで済む。

 三菱地所パークスでは、このシステムを自社で管理・運営する駐車場に導入していく他、グループ外への販売も視野に入れる。

駐車場を巡っては、NTTドコモがソフト関連の技術開発会社、PKSHAテクノロジー(東京都文京区)と共同で、キャッシュレス対応機器が整備されていない駐車場でもスマホで予約と精算ができるオンラインサービスを始めている。ソフトバンクやENEOSホールディングスなどが設立したOpenStreet(東京都港区)も駐車場の確保から精算までをスマホで行える同種のサービスを提供するなど、キャッシュレス化に向けた動きが加速している。(青山博美)

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.