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» 2023年11月17日 11時28分 公開

性的行為の前に「同意します」ボタン デジタル同意書が波紋(2/2 ページ)

[産経新聞]
産経新聞
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同意「正直よく分からない」

 性的行為をする際に必ず同意を取るのは半数──。インターネット情報提供会社のビッグローブが全国の20〜50代を対象にしたアンケートでは、性的同意に関する認識の不足が浮き彫りとなった。

 アンケートは6月に実施し、男女1000人がネットを通じて回答。性暴力には全体の85.5%が「厳しく対応すべきだ」と答え、性的同意の必要性を含む性教育は80.6%が13歳以下から開始するのがいいと感じていた。

 一方、性的行為の際の同意については、どの年代でも「必ず同意を取る」は半数にとどまり、「たまに取る」が14.8%、「取ることはない」が9.7%だった。

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 また、国際協力NGO「ジョイセフ」が8月に15〜29歳に実施した調査では、恋人やパートナーがいた経験のある5800人のうち、90.1%が性的同意は大切との認識を持ちながらも、男性の49.1%、女性の36%が「同意を得ているつもりだが、本当に得られているのか自信がない」とした。さらに全体の42%が「具体的に性的同意がどういうものか正直分かっていない」と答えた。

専門家「判例の積み重ね必要」

 性犯罪事件に詳しい奥村徹弁護士(大阪弁護士会)は、今回の改正刑法により犯罪が成立する8類型が具体的に示されたことで「これまでの刑法では抜け落ちていた被害をカバーできる」と評価する。

 ただ「処罰範囲が広がったように思えるが、実際に立件に至る事件が大幅に増えるとは思わない」と推測。性被害は密室での場合が多く、「被害者の説明はもちろん重要だが、事件化には状況証拠が必要」であり、証拠の有効性の判断は「8類型を適用した事例や判例の積み重ねにより見えてくるだろう」と話す。

 一方で、性犯罪事件の被告の弁護を担当してきた経験から「冤罪(えんざい)を生む恐れもあるが、それをどう防ぐかの議論は十分にされていない」と指摘。キロクのようなデジタル同意書が「証拠の一つにはなる」としつつも「スマホ操作の手間もあり、普及は難しいのでは。記録されるのはプライベートな情報で、流出対策がどこまでできるか」と課題に言及した。(中井芳野)

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