米Appleは3月12日(現地時間)、欧州連合(EU)でアプリを配布する開発者に、より柔軟性を提供すると発表した。同社は1月、EUの「デジタル市場法」(DMA)を順守するための方針を発表したが、スウェーデンSpotifyなどが新ルールを完全な茶番だと批判し、欧州委員会に苦情を申し立てていた。
Appleは5日、iOS 17.4のアップデートでEU圏内での代替アプリストアの開設を可能にし、サードパーティのアプリストアで他の開発者のアプリカタログを含むiOSアプリの提供を可能にすると発表した。今回の発表では、サードパーティのアプリストアで提供できるのは自社アプリのみにするよう変更した。
一方で、Appleの基準を満たせば、サードパーティは自身のWebサイトから直接アプリを配布できるようにする。基準には、2年以上連続してApple Developer Programの会員であること、前年にEU圏内でiOSで100万回以上初回インストールがあったアプリを提供していることなどが含まれる。つまり、2020年に開発者アカウントを削除された米Epic Gamesは基準を満たしていない。
また、Webサイトで提供するアプリは、Appleの公証要件を満たす必要があり、提供するWebサイトのドメインはApp Store Connectに登録する必要がある。
ユーザーがWebサイトからアプリをインストールするには、まずiPhoneの設定でアプリをインストールすることを開発者に承認する必要がある。
Webサイトからのアプリ配布は、今春後半のiOSアップデートで欧州圏内でのみ可能になる見込み。
この発表を受け、Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOは自身のXアカウントで「コンピューティング史上最悪のアプリインストール体験を設計したAppleのリーダー、おめでとう!」とポストし、続くスレッドで「Appleの決定に対するEpicの批判を理由にわれわれを公に禁止することで、すべての開発者を脅して沈黙させようとしている」と批判した。
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