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「打ち子」らの勤務は平日正午〜午後9時、給料は手渡し SNS投資詐欺事件、40人を再逮捕

» 2024年08月15日 10時21分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 2つの詐欺グループの拠点が一斉摘発されたSNS型投資詐欺事件で、大阪府警は8月14日、詐欺や詐欺未遂の疑いで、1つのグループの主犯格とみられる会社役員、山田吉彦容疑者(43)ら男女40人を再逮捕した。少なくとも150人から投資名目で9億5000万円を詐取していたとみられ、府警が実態解明を進めている。

photo 詐欺グループの拠点から押収した段ボールを運ぶ大阪府警の捜査員ら=7月23日午後、大阪市西区

 再逮捕容疑は共謀し3月、宮崎県の10代の女性会社員にSNSを通じてバイナリーオプション(BO)の投資を持ち掛け、情報商材名目で計約50万円をだまし取ったなどとしている。

 府警によると、グループはもともと1つだったが、一部のメンバーが独立し、新たなグループを立ち上げた。両グループのメンバーは、ほとんどがSNSでメッセージを送る「打ち子」で20代が中心。投資勧誘係、クレーム対応係、弁護士・返金対応係、経費管理など実務ごとに役割を分担していた。

 勤務は平日正午〜午後9時を基本とし、完全歩合制。給料は主にリーダーが現金を手渡す形だったという。活動フロアごとに「キング」「エース」など名称がつけられ、マニュアルも用意されていた。

 府警は拠点から約2400台のスマートフォンを押収。大阪府内の中古品販売店から購入したとみて解析を進めている。

 事件を巡り府警は7月、大阪市内の4つのビルを一斉捜索。これまでに男女計92人を詐欺容疑などで逮捕した。山田容疑者と同じグループのリーダー格とみられる中村晋弥容疑者(41)ら男3人を公開手配し行方を追っているほか、京都市内にも10人規模の拠点があったとみて調べている。

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