電子部品メーカー「TDK」(東京都中央区)から営業秘密に当たる研究データなどを不正に持ち出したとして、警視庁公安部は10月4日、不正競争防止法違反容疑で、同社元社員の男(65)=千葉市=を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。公安部は認否を明らかにしていない。
書類送検容疑は、同社に研究職として勤務していた2023年6月ごろ、電子部品「MEMS」(メムス)などに関するデータを社用のメールアドレスからから私用メールに送信し、不正に持ち出したとしている。男は既に退職しており、TDK側から警視庁に被害相談があったという。
捜査関係者によると、持ち出したデータが中国などに流出した可能性を含めて捜査したが、現在のところ流出は確認されていないという。
同社を巡っては、公安部が5月にも、同社の別の元社員2人が製品データを流出させたとして、不正競争防止法違反容疑で書類送検していたことも判明。既に不起訴処分となっているという。
TDKは4日、元社員の書類送検について「情報管理体制の一層の強化および従業員に対するコンプライアンス教育の徹底を図り、再発防止に努めてまいります」とコメントを出した。
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