バーチャルYouTuber事業を手掛けるカバーは10月25日、同日に受けた公正取引委員会からの指導・勧告についてコメントを発表した。「事業が急拡大し取引件数が増大したのに対し、取引先とのやりとりに抜け漏れや遅延が生じてしまっていた」「社内体制の構築や社内研修が不十分であった」と原因を説明。「勧告を真摯に受け止め、責任を痛感している」と謝罪した。
公取委によれば、カバーは2022年4月から23年12月にかけ、動画用の2Dモデルや3Dモデルの制作を委託していた下請事業者に対し、成果物を受領した後、発注書で示された仕様からは作業が必要であることが分からないやり直しを無償でさせていたという。やり直しは、23事業者に対し、計243回あった。
さらに一連の行為により、22年7月から24年2月にかけて、下請事業者から成果物を受け取っているにもかかわらず、あらかじめ定められた期日までの代金を支払っていなかった。支払いがなかったことによる利息の額は、29事業者に対し計115万2642円。行為を受けた公取委は、カバーに対し下請代金支払遅延等防止法に基づく勧告、指導を行った。
カバーは「Live2Dモデルや3Dモデルなどのクリエイティブを依頼するにあたり、仕様書や指示書で正しい言語化による発注が行われなかった結果、修正を依頼する回数が多くなってしまったことや、完成までの期間が長期に渡ってしまったことなどで取引先へ負担と迷惑を掛けた。また、一部の取引について漏れなく速やかに支払いすべきところ、支払処理が漏れていたことにより多大なる迷惑を掛けてしまった」と説明。コンプライアンスの強化と再発防止を目指すとした。
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