カバーが運営するバーチャルYouTuber(VTuber)事務所「ホロライブ」所属タレントの活動休止や“卒業”が相次いでいる。8月末の湊あくあさん卒業にはじまり、11月29日には沙花叉クロヱさんが、事務所へは所属し続けるものの配信活動を終了すると発表。続いて12月1日には英語圏向けグループ所属のセレス・ファウナさんが卒業を発表した。
湊あくあさんは2018年に活動を開始したYouTubeチャンネル登録者数200万人超のVTuber(24年12月2日時点、以下同)。19年には“投げ銭”の総額が約5000万円に達していた(YouTubeデータ集計サイトPlayboard調べ)。沙花叉クロヱさんもチャンネル登録者数約133万人で、2022年には投げ銭の総額が約1億1393万円に。セレス・ファウナさんもチャンネル登録者数約93万人を集めていた。
一連の発表を受けたファンからは、同社の労働環境について指摘する声も出ている。例えば沙花叉クロヱさんは、配信活動を終える理由の一つに過労を挙げており、配信活動終了を発表する動画の中で「稼働量が多すぎまして、通院が必要なレベルで体調を崩している」「月に収録するボイスや曲の数がえげつなくて、喉が常に悪い」と発言していた。
さらにカバーは10月、動画用の2Dモデルや3Dモデルの制作を委託していた下請事業者に対する下請代金支払遅延等防止法違反があったとして、公正取引委員会に指導や勧告を受けていた。
同社は「事業が急拡大し取引件数が増大したのに対し、取引先とのやりとりに抜け漏れや遅延が生じてしまっていた」として、コンプライアンスを改善する方針を示しているが、SNSでは「ブラック企業になっているのでは」「規模が大きくなりすぎたVTuberのビジネスモデルに限界がきているのかもしれない」とする声も散見される。
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