政府・与党は11月2日、2025年度税制改正で、次世代半導体の量産を目指すラピダスに対する税優遇措置の導入を見送る方向で調整に入った。経済産業省が導入を求めていたが、自民、公明両党の税制調査会などが個別企業への優遇になる点を問題視し、公平性の観点から見送る判断に傾いた。
日本の半導体産業の国際競争力を高めるため、政府はラピダスに対し、手厚い支援を行ってきた。研究開発の促進を目的に、これまでに9200億円の予算を投入したほか、25年度には2000億円を出資する計画だ。
経産省は25年度税制改正で、産業競争力の強化を目的に、ラピダスの増資に伴って発生する税負担を軽減する特例措置を提案。政府支援で建設され、現在は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が保有する工場などの不動産を、ラピダスが保有することに伴って生じる税負担の軽減なども検討課題としていた。
ただ、経産省が今回提案した優遇措置は事実上、ラピダスのみが対象となる。また、同社に対してはすでに大規模な予算措置による支援を行っていることもあり、政府・与党として、個別企業を税制面で優遇することは現時点では必要ないと判断した。
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