日本企業が直面する「2025年の崖」。経済産業省が警鐘を鳴らすこの問題は、多くの企業にとって喫緊の課題となっている。複雑化・老朽化した既存のITシステムと人材不足が足かせとなり、年間で最大12兆円もの経済損失が生じる可能性も指摘されている※。
※出典:経済産業省「DXレポート〜ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開〜」。
この「崖」を乗り越え、企業の成長を加速させるためにはDXが不可欠だ。DX推進に必要なことはあまたあるが、従業員が使うPCの刷新も忘れてはならない。本稿では、2025年6月13日に開催されたイベント「新潟DXサミット2025〜新潟エリアのDX最新潮流とデジタル活用〜」から、DX推進を支えるPCの選び方を探る。
イベントでは、パナソニック コネクトの白井慶太氏が、「2025年の崖を乗り越えDXを加速させるデバイス選びのポイント」と題した講演を行った。
今、企業は大きな変化に直面している。システムの複雑化や老朽化、人材不足に加えて、コロナ禍を経て社内外のさまざまな場所で仕事をするようになった。白井氏は、こうした変化に対応するためにも、本格的なDX推進が不可欠だと語った。
「DXは大きく分けて3つのステップで進みます。第1段階の『デジタイゼーション』は、紙の書類をPDF化するなどアナログ業務を電子化する段階です。第2段階の『デジタライゼーション』では電子化をさらに高度化し、ワークフローの導入やシステム連携によって業務プロセスを改善します」
ここまでの2つのステップは、主に業務効率化やコスト削減に寄与するという。しかし、真のDXはその先の第3段階、「デジタルトランスフォーメーション」にあると白井氏は指摘した。
「さまざまなシステムから生成されるデータを収集、分析、活用することで、自社の商品やサービスに革新をもたらし、次なる成長を促す活動が必要です。受発注データを分析して消費者の傾向をつかみ、新商品開発に生かすといった取り組みが挙げられます。このようなデータ活用を含めたDXの実現に向けて、長期的な視点で適切な投資をすることが重要です」
DX推進の最終目標は、単なる効率化にとどまらず新たな価値の創造とビジネスの変革にある。これを実現するためには、基幹システムの刷新はもちろん、従業員が日々利用するPCの選定も重要になると白井氏は説明した。
基幹システムを整備しても、従業員がデータを利活用するためのPCがボトルネックとなったのでは、DXに歯止めがかかってしまう。PCの選択こそが、2025年の崖への対処、ひいてはDX推進の成否を分ける重要なポイントとなる。
では、どのようなPCを選べばよいのか。白井氏はPC選びのポイントとして「多様な働き方に適した柔軟なデバイス選定」「ビジネスを止めない性能とパートナー選定」を挙げた。
この2つのポイントを満たすPCとして、パナソニック コネクトは「レッツノート」と「タフブック」という2つのシリーズを展開している。
「レッツノートは、ビジネスパーソンが今の多様な働き方において本当に必要とする性能を備えています。一方、タフブックは、政府や警察、消防、医療機関など過酷な現場で働くフィールドワーカーの方々が、クリティカルなミッションを達成するために必要な性能を備えたPCです」
オフィスや自宅での作業はもちろん、客先訪問や対面営業といったモバイルワークに適しているのが「レッツノート SC」(以下、SC)と「レッツノート FC」(以下、FC)だ。2025年6月20日に発売されたばかりの新モデルで、インテルの最新プロセッサ「インテル® Core™ Ultra プロセッサー(シリーズ2)」を搭載している。見た目は従来のレッツノートと変わらないものの、筐体も中身も一から刷新した。
レッツノートの特長は、ビジネスシーンでの利用を想定した徹底的な「頑丈性」「軽量性」「長時間駆動」だ。
「MIL規格(MIL-STD-810H)に基づく落下試験に加え、実際の利用シーンを想定してより厳しい独自基準を設けて耐久試験をしています」
軽量性については、SCはA4サイズより小さい12.4型で、厚さは約19.9ミリとコンパクトなボディーで持ち運びしやすい。FCは14.0型の大画面でドキュメントの作成などの作業がしやすく、かつバッグに収めやすい薄型設計になっている。
モバイルPCに不可欠な長時間駆動も実現した。SCは、JEITAバッテリー動作時間測定法(Ver.3.0)に基づき、動画再生時で約12.7時間の駆動が可能だ。
バッテリー切れの不安を解消する新機能も搭載している。「充電優先モード」にすれば、PC作業をしながら約30分で約4.6時間分の充電ができる。電源オフ状態であれば、約30分間の充電で約5.8時間駆動できる急速充電にも対応している。
白井氏は「客先での商談前に資料作成をしたいがバッテリー残量が少ないというときに充電優先モードを使えば、作業をしながら効率的に充電できます。お昼休み中に電源を落として30分充電するだけで、午後の会議に十分対応できるだけのバッテリーを回復できます。このような充電機能をうまく活用することで、長時間モバイルで仕事をする際のストレスを大きく軽減できるでしょう」と、利便性を強調した。
建設現場や点検業務、過酷な環境での利用を想定して開発されたのが「タフブック」シリーズだ。
「タフブック FZ-G2N」は、屋内外での設備点検やメンテナンス業務に適している。こちらもMIL規格試験とパナソニック コネクトの独自試験をクリアしている。IP65準拠の防塵(ぼうじん)防滴性能を持つため、水がかかっても問題なく使用できる。高解像度カメラを搭載しているため、建設現場で施工状況を撮影し、その場で資料を作成して報告することも可能だと白井氏は説明した。
「タフブック FZ-55」は、FZ-G2Nのような堅牢(けんろう)な端末とレッツノートのようなビジネスPCの中間に位置する。IP53準拠の防塵防滴性能を持ち、多少の雨ならかかっても影響はない。約2キロの軽量ボディーにハンドルが付いており、屋内外の作業現場への持ち運びも容易だ。14型の高輝度タッチパネル液晶は、屋外で図面を確認するときでも視認性を確保できる。オプションのセカンドバッテリーを搭載すれば、最大約16時間(動画再生時)の長時間駆動が可能となり、電源を確保しにくい現場でも丸1日使用できる。
白井氏はレッツノートやタフブックを選ぶメリットについて、パナソニック コネクトの高い品質とサポート力を挙げた。故障発生率の低さはもちろん、故障時の修理対応の時間も短くすることで現場でのダウンタイムを低減するという。
さらに、レッツノート SC/FCとタフブック FZ-G2N/FZ-55には、「Intel vPro® プラットフォーム」(以下、vPro®)が搭載されている。vPro®は強固なセキュリティ対策機能やPCの遠隔管理機能を備えたプラットフォームだ。
「vPro®のハードウェアベースのセキュリティがあれば、セキュリティソフトでは守り切れない、OSよりも下層のレイヤーまで脅威から守ることができ、より強固なセキュリティ対策が可能です。また、vPro®に準拠したPCであれば、ネットワーク経由でPCのリモート管理も可能です。IT管理者が会社や自宅にいながら、さまざまな場所で業務をする従業員のPCで起こる問題を解決できます」
白井氏は、vPro®の導入事例としてある水産物加工卸売企業のケースを紹介した。その企業はこれまでIT管理者が1人で広大な工場や倉庫内のPCを管理しており、問題が発生するたびに現場に行って対処するという非効率な業務を強いられていた。しかし、vPro®を搭載したPCに置き換えたところ、リモートでPCにアクセスして問題を解決できるようになり、業務効率化ができた。
2025年の崖は、日本企業がDXを本格的に推進するための大きなチャンスでもある。パナソニック コネクトのレッツノートとタフブックは、多様化するビジネスシーンにおいて従業員一人一人の生産性を最大化し、DXを強力に後押しするPCだ。vPro®による高い性能と強固なセキュリティ、そしてパナソニック コネクトが誇る高い品質とサポート力は、ビジネスを止めないという企業のニーズに応える。
白井氏が語ったように、「ダウンタイムなどの障害コストも含めて考えれば、レッツノートやタフブックの価格は決して高くない」。長期的な視点で見れば、これらのデバイスの導入は企業の成長と競争力強化のために必要な先行投資と言えるだろう。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2025年7月27日