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武田薬品工業、AI活用し医薬品の需要予測精度を向上 国内製薬企業で初

» 2025年08月05日 18時15分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 武田薬品工業は医薬品の安定供給強化に向け、国内の製造・供給部門でAIを活用した新たな需要予測モデルの運用を始めた。医薬品の廃棄削減など環境や財務面の効果も期待され、高精度な予測に基づいた持続可能な生産計画の実現を目指す。

 同社によると、AIによる需要予測モデルの本格運用は国内の製薬企業で初めて。これまでは過去の実績や担当者の知見に基づいて需要を予測していたが、AIを導入した新モデルでは膨大なデータのパターンや特徴について、より高精度な予測が可能となった。AIの予測結果に担当者の判断を加えることで、急激な需要変動にも迅速に対応できる体制を整える。

 当面は、出荷頻度が高く、過去データが十分に蓄積されている製品を中心に運用し、随時対象製品を拡大する。導入により在庫の最適化が進めば、製造済み医薬品の期限切れによる廃棄リスクの低減や資金効率の向上も見込まれるという。

 同社は「需要予測の高精度化と業務の持続的な効率化を推進し、必要な医薬品を必要なときに確実に届ける使命を果たしていく」としている。(清水更沙)

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