年明けから新年度にかけて、就職や転勤といったライフイベントを見据えた準備が本格化する。それを機に見直したいのが「自宅のネット環境」だ。Web会議、ストリーミング配信の視聴、オンラインゲーム――“速くて快適なネット体験”はQuality of Life(QOL:生活の質)を向上させてくれる。引っ越す予定がなくても「最近ネットが遅いな」「ネット回線の更新月が来るけどどうしよう」と考えている人に耳寄りな情報がある。
Wi-Fiの新規格「Wi-Fi 7」の実用化だ。Wi-Fiの通信速度を大きく底上げし、ネット回線の性能を引き出せる。Wi-Fi 7に対応したサービスを提供する通信事業者も登場している。Wi-Fi 7はなぜ速いのか。ネット環境をどのように選べばよいのか。本稿の解説を役立ててほしい。
インターネット回線の整備方法としては「光回線」が主流だ。光ファイバーを自宅に引き込むことで高速かつ大容量で安定した通信を確立できる。光回線サービスの多くはデータ通信量に制限がないため、ストレスフリーに利用可能。開通工事が必要だが、光回線引き込み済みの物件も増えている。
工事が難しい賃貸住宅などでも「ホームルーター」という選択肢がある。据え置き型ルーターを設置するだけで、モバイル回線を介してインターネットに接続できるようになる。手軽だが、通信速度やデータ通信量に制限がある場合が多い。
快適なWeb会議やファイル送受信、オンラインゲームへの没入感などを重視するなら光回線を選ぶのが妥当だ。光回線サービスのプランの多くは最大通信速度が1Gbpsまたは10Gbpsで、各社が横並びの状態にある。だが、Wi-Fiに目を向けるとネット環境をより良くするヒントが見えてくる。
家庭のネット環境を簡略化すると「インターネット⇔無線LANルーター⇔デバイス」という構成になる。このうち「インターネット⇔無線LANルーター」を結ぶのが光回線、「無線LANルーター⇔デバイス」を結ぶのがWi-Fiだ。光回線がいくら高速で大容量でも、Wi-Fiのスペックが低ければボトルネックになって期待した性能が出ない。
この問題を解決するのがWi-Fi 7だ。光回線のポテンシャルを引き出せる新規格として2024年に登場した。前世代の「Wi-Fi 6」「Wi-Fi 6E」から性能が大幅に向上し、最大理論速度は46Gbpsを誇る。Wi-Fi 6とWi-Fi 6Eの最大理論速度は9.6Gbpsのため、約4.8倍も速くなる計算だ。
「1Gbps」で1秒間に伝送できるデータ量は約125MBのため、46Gbpsは1秒間に約5750MB(約5.75GB)のデータを送れる。「Netflix」で1時間の作品を「超高画質」(UHD 4K)を端末にダウンロードすると最大7GBだ。これを “一瞬”で送受信できる。ただし「46Gbps」はあくまで理論上の最大値であり、実際の速度はルーターやPCといった機器に左右される。
Wi-Fi 6までは使える周波数帯が「2.4GHz」「5GHz」に限られていたが、Wi-Fi 6EとWi-Fi 7は「6GHz」の周波数帯を利用できるようになり、通信速度が大幅に向上した。家電や航空管制レーダーなどは6GHz帯を利用しておらず、電波干渉や混雑が起きにくいため今のところ“Wi-Fi専用”として快適に利用できる。
Wi-Fi 6Eからの進化も大きい。Wi-Fi 7で使える帯域幅が最大320MHzに拡大され、Wi-Fi 6Eの2倍に増えた。デジタルデータを電波に乗せるためのデータ変調方式も改善され、「4096QAM」が採用された。1シンボル当たり12bitの情報を伝送でき、これはWi-Fi 6Eの1.2倍に当たる。さらに2.4GHz、5GHz、6GHzの周波数帯域を束ねて利用する技術「Multi-Link Operation」が加わったことで、最大理論速度が向上している。
Wi-Fi 7を利用するには、同規格に対応したルーターやPCが必要だ。ネット回線の契約時にWi-Fi 7対応ルーターを貸し出している通信事業者もある。例えば、J:COMは光回線サービス「J:COM 光」で「1Gコース」(通信速度が最大1Gbps)と「10Gコース」(通信速度が最大10Gbps)を用意している。同社は、Wi-Fi 7を効率的に活用するためのAI機能を搭載した「次世代 AI Wi-Fi」対応ルーターを契約者に提供。利用にあたって追加費用はかからず、月額利用料金内で使える。
光回線×Wi-Fi 7で私たちの生活はどのように変わるのか。J:COM 光の10Gコースと次世代 AI Wi-Fiを使ったシーンを想定して解説する。
一戸建て住宅は光回線を引いていることが多いため、ストレスなくテレワークやオンラインゲームに集中できるネット環境が整っている。しかし「家族全員がネットを使うと遅くなる」「2階に行くとつながらない」といったケースがあるだろう。
3月中旬のある日の夕方。テレワーク中の両親がWeb会議をし、春休み中の子どもたちはFPS(一人称視点シューティング)ゲームやストリーミング配信の映画を楽しんでいる。そのとき、子どもがゲームのアップデートファイルをダウンロードしたら、ネットが途切れがちになった――これは、Wi-Fiの帯域がパンクしている典型的な例だ。
Wi-Fi 7を使えば状況が好転する。Wi-Fi 7の特徴である「帯域の広さ」が威力を発揮して一度に通信できるデータ量が格段に増えるため、家族全員が負荷の高い通信をしてもデータがスムーズに流れる。そこから先は、高速かつ大容量な通信ができる光回線に任せればいい。
また、AI機能により、日々の利用パターンやデバイスごとの利用状況を分析し、「Web会議の通信は安定した6GHz帯に誘導しよう」「ストリーミング配信の通信は高速な5GHz帯に切り替えよう」など自動で調整してくれる。6GHz帯は壁などの障害物に影響されて電波が届きにくいことがあり、デバイスが5GHz帯や2.4GHz帯に接続しやすい傾向がある。次世代 AI Wi-Fiは、事前アソシエーションステアリングやスループット最適化ステアリングといった技術を生かしてデバイスを6GHz帯に積極的に誘導する。
次世代 AI Wi-Fiに対応したJ:COMのルーターがあれば、一戸建て特有の悩みである「ルーターから離れた部屋の電波が弱い」「2階まで電波が届かない」という問題も解消される。同ルーターは「メッシュWi-Fi」機能を備えており、オプションの「メッシュWi-Fi」の機器を追加することで、デバイスの位置や電波の強度を基に、宅内にある複数のルーターの中からより良いルーターに自動で切り替える。中継機は不要で、「ルーターの近くでないと仕事ができない」「2階に上がると電波が弱くなる」という煩わしさから解放される。
マンションやアパートに住む人の場合、近隣住人や周辺地域からの電波干渉が課題になる。PCやスマートフォンでWi-Fi設定画面を開くと、隣室のルーターを示すSSIDが表示されたことがあるだろう。自分と近隣住人が同じ周波数帯やチャネルを使うと、電波干渉によって通信が不安定になる可能性がある。
一人暮らしを始めたから、便利な生活にするためにスマートスピーカーやロボット掃除機、IoT家電などを多用している――こんなケースでは、ネットにつながる機器が2.4GHz帯など特定の周波数帯を使うため混雑してしまう。PCやゲーム機などは有線LANでネット回線につなぐ方法もあるが「好きな場所でPCを使えない」「ケーブルが邪魔」「PCにLANポートがない」といった問題がある。
次世代 AI Wi-Fiを導入してWi-Fi 7対応のPCやスマートフォンを使えば6GHz帯を利用できるため、クリアな通信環境を確保できる。6GHz帯の利用はまだ広まっておらず、近隣住人との混線も起きにくいはずだ。次世代 AI Wi-Fiが利用状況を学習し、夜にゲームをすることが多ければ「平日の午後8時から11時は高速な5GHzを優先的に回す」など、AIが自動的に対応する。
なお、日本では6GHz帯で利用可能な周波数が限られているため320MHzチャネルが1つしか確保できず、フロントホール(端末との通信)とバックホール(ルーター間の通信)で帯域を共有する必要がある。次世代 AI Wi-Fi は、室内のネットインフラ構成や通信環境に応じて80MHz、160MHz、320MHzいずれの帯域幅を使用するかを動的に判断してくれる。
集合住宅の場合、J:COMなら最短4日※でCATV方式でネット回線を開通させられる。光回線ではないため通信速度に差が出るものの、引っ越したその週末からネット環境を使える点は大きなアドバンテージだ。次世代 AI Wi-Fiに対応したルーターを追加料金なしで利用できる。
※契約内容や混雑状況などにより、希望の日程に沿えない場合があります。
J:COMの強みは、スマホ用アプリ「MY J:COMアプリ」を使ってネットワーク状態を可視化できる点だ。アプリ内の「かんたん診断」を使って通信速度や利用状況を確認できる。また、端末診断機能も備えており、無線LANルーター、ホームゲートウェイ、J:COM回線などどこに不具合があるのかチェック可能。「なんだかネットが遅い」と感じたとき、「とりあえず無線LANルーターを再起動する」という対処ではなく、MY J:COMアプリで状況を確認してから対応に移れる。
Wi-Fi 7が従来の規格よりも高速なのは明快だ。そこに光回線を組み合わせれば、通信速度に悩まされない快適なネット環境を構築できる。各通信事業者の光回線サービスやルーターの機能と性能をよく見極めて検討してほしい。Wi-Fi 7は、あなたのQOLを向上させてくれるはずだ。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2026年1月22日