News:ニュース速報 2001年1月5日 03:58 更新

日立,DRAMのデータ記憶時間を100倍に伸ばす新型メモリを試作

 日立製作所は4日,現在のDRAMに比べて消費電力を大幅に低減できる新型メモリの試作に成功したと発表した。SRAMに比べ容量が多いDRAMをモバイル機器に利用できる道が開けるという。

 新型メモリは「一電子シャット・オフメモリ」。DRAMでは,キャパシタに蓄えた電子をスイッチトランジスタで電気的に切り離すことでデータを記録するが,スイッチトランジスタ部分で電流の漏れが発生する。そのため,0.1秒に1度程度の頻度でデータの再書き込みを行うことでデータを保持しているが,そのため待機時の消費電力が大きいというデメリットもある。

 新型メモリでは,電子を流すチャネルを2ナノメートル(原始約6個分)の超薄膜で形成。漏れ電流を0.1秒当たり10のマイナス19乗アンペア以下(電子1個分)に抑えた。試作したメモリ素子は,現行DRAMに比べ100分の1の電子数で安定動作し,その上データ記憶時間も約100倍の約10秒にアップしたとしている。新型メモリはキャパシタ形成が不要なため,低コスト化と大容量化にも向いているという。

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