News:ニュース速報 | 2001年1月31日 05:01 更新 |
セガは1月31日,同社の家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」の製造中止を正式に発表した。3月31日で製造を打ち切り,約20年にわたって展開してきた家庭用ゲーム機ハード事業から撤退する。日米欧の景気減速でクリスマス商戦が弱含みで推移したことが影響したとしている。同時に,同社はドリームキャスト用ゲームソフトを「プレイステーション2」や「ゲームボーイアドバンス」向けに供給していくことを発表,今後はコンテンツ事業と業務用アミューズメント事業に集中して経営再建を図る。
同日開かれた取締役会でドリームキャスト製造中止を正式に決めた。同社によると,今期のドリームキャスト販売台数は,昨年12月末までで世界合計232万台。当初計画に対し44%減とふるわなかった。それにともない同社製ソフトの販売本数も同時期までに世界合計815万本,当初計画比34%減となった。
同社は「ハードの拡販とソフトビジネスとのバランス維持が難しく,その収益構造が成立しにくい」と,家庭用ゲーム機のビジネスモデルの変化を指摘。今後は「セガの最大の強みであるコンテンツ指向のビジネスモデルに早急に移行し,今後の収益回復を確実にする」として製造中止を決めた。
ドリームキャスト本体の在庫・世界合計で200万台については「今期末から来期にかけて,エンドユーザーに運ぶことを第一目標とした施策をとる」として“在庫処分セール”の可能性をほのめかしている。ソフト開発は計画通り続行し,来期は「ソニックアドベンチャー2」「シェンムーII」「NFL2K2」など今期と同程度のタイトル数を発売する計画だ。
さらに他社プラットフォームへのソフト供給も開始する。PS2向けにはまず「バーチャファイター4」や「サクラ大戦」シリーズ,「スペースチャンネル5」シリーズ,「つくろう!」シリーズを投入するほか,今後も継続的にPS2向けにソフトを開発する。また「ソニック」シリーズなどセガサターン向けソフトを「PS-One」向けに移植する。これに加え,任天堂のゲームボーイアドバンス向けに「チューチューロケット」「ぷよぷよ(仮)」「ソニック・ザ・ヘッジホッグ アドバンス」を発売する。またマイクロソフトの「XBox」と任天堂「ゲームキューブ」へのソフト供給に向け両社と協議中という。また同社は,ドリームキャストの製造中止と在庫処分にともない,今期の通期業績を下方修正した。連結最終業績は583億円の赤字(従来予想は236億円の赤字),単体最終損益は892億円の赤字(同148億円の赤字)とした。
同社は同日夕方,都内で記者会見を行い,ドリキャス製造中止と再建策を説明する。詳細はZDNNで続報する。
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