News:ニュース速報 2001年4月26日 07:40 更新

NECが緊急構造改革,レーザープリンタとPC用液晶生産から撤退

 NECは4月26日,同社の「緊急構造改革」を発表した。PC関連市場の変化を受け,PC用TFT液晶ディスプレイ製造から撤退,海外のDRAM生産拠点も縮小,撤退する。またレーザープリンタ事業をすべて富士ゼロックスに譲渡,一層の選択と集中を進める。

 価格下落が激しいPC向け液晶ディスプレイは,台湾の奇美電子に生産を委託。自社生産はモバイル端末向けなど高付加価値製品に集中する一方,有機ELやPDP事業の強化を図る。

 DRAMについては,子会社エルピーダメモリから生産を受託しているNEC広島を除き,DRAM依存から抜け出す。まず北米工場でDRAM生産を停止した上でシステムLSI拠点に移行させる。スコットランド工場も順次システムLSIへ転用,海外でのDRAM生産から撤退する。エルピーダも,ワークステーションやサーバ,携帯電話といった高付加価値DRAM市場に力を注ぎ,低価格化と需要鈍化が著しいPC市場への依存度を下げる。

 またNECと富士ゼロックスは同日,NECのレーザープリンタ事業を富士ゼロックスに譲渡することで基本合意した。

 NECはレーザープリンタ事業から撤退,研究開発・製造・販売・保守サービスと,NECの100%子会社でレーザープリンタ事業の拠点だった新潟日本電気の全株式を富士ゼロックスに譲渡する。NECはネット事業への経営資源集中を進めている最中。レーザープリンタ事業の将来について検討した結果,NEC単独での事業継続は難しいと判断,譲渡を決めた。

 レーザープリンタ市場は,リコーや富士ゼロックス,キヤノン,セイコーエプソンらが激しくシェアを争う激戦地。NECは低価格なプリントエンジンを強みとした高速印刷モデルなどで市場に食い込んでいた。

関連リンク
▼ ニュースリリース

[ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.