News:ニュース速報 2001年7月6日 05:30 更新

1GbpsのリアルタイムVLBI実験に成功,電波望遠鏡の感度が2倍に

 通信総合研究所(CRL)と国立天文台,宇宙科学研究所,NTT(持株会社)は7月6日,1GbpsでのリアルタイムVLBI(Very Long Baseline Interferometry:超長基線電波干渉計)実験に成功した,と発表した。

 実験は6月23日,CRL鹿島の34メートルアンテナと宇宙科学研臼田の64メートルアンテナを使って実施。臼田で受信したクエーサーの電波(8GHz帯)を1GbpsのVLBIデータに変換。2.4Gbps光ファイバー(ATM方式)で臼田-NTT武蔵野-鹿島に送信,鹿島で同様に受信・変換したVLBIデータを合成した結果,予想通りの合成結果を得られたという。VLBIはデータ速度が感度を決めるため,今回の成果により従来の2倍の感度で観測が可能になる。恒星のコロナなど,電波が弱すぎてとらえられなかった信号の観測にも道を開く。

 VLBIは離れた2点のアンテナで受信した信号をコンピューターでシンクロ・合成処理を行うことで,2点間の距離に相当する口径の電波望遠鏡として観測する技術。国立天文台と宇宙科学研は,野辺山宇宙観測所の45メートルアンテナと臼田を結んだVLBIを運用している。また人工衛星と地上のアンテナを結んだVLBIの実用化計画も日本主導で進んでいる。

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