News:ニュース速報 2001年8月30日 06:46 PM 更新

ノートPCが数日間連続駆動も──NECなど,携帯機用燃料電池を開発

 NECと科学技術振興事業団,産業想像研究所は8月30日,携帯機器用の小型燃料電池を開発したと発表した。

 新開発の燃料電池は固体高分子型。カーボンナノチューブの1種である「カーボンナノホーン」の表面に白金系触媒を担持した材料を電極に採用。電極に活性炭を利用した従来の燃料電池に比べ,電池の出力が約2割向上することを確認したという。技術を発展させれば,将来はノートPCを数日間連続利用するなど,携帯機器の駆動時間の飛躍的な向上につながるという。

 カーボンナノチューブはNECの主席研究員である飯島澄男博士が発見した炭素系材料。カーボンナノホーンは角状の不規則な形状で,角が多数集まることで100ナノメートル程度の擬集体を構成。そのため表面積が大きく,気体や液体が内部まで浸透しやすいという。

 カーボンナノホーンに触媒を担持させると,触媒粒子がナノホーン表面に細かく分散。活性炭と比べると粒子の大きさは半分以下で,細かく一様に分散させることで燃料電池の特性向上につながった。また触媒使用量の低減にもつながる。

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