News:ニュース速報 2001年10月3日 08:59 PM 更新

沖,LSI間を光配線で結ぶ新技術 金属配線のボトルネックを解消

 沖電気工業は10月3日,LSI間を高密度光配線で結ぶ新技術の開発に成功したと発表した。従来の銅配線で生じるとされるボトルネックを解消,より高速な処理が可能になるという。

 新技術では,LSIの材料となるシリコンに対して透明な長波長光源を採用し,インジウムリン系材料の発光素子を集積したLSIを使用する。一般のプリント配線基板の裏に石英基板を配置し,石英基板上に組み込んだ複数の平板型解析光学素子で光配線基板を構成。LSI上の光素子からの光信号を,光配線基板経由で別のLSIに投影することで信号を伝えるという。この構成により,理論上は2000本/センチ以上の高密度配線が可能になるという。

 複数のプロセッサなどを接続して並列化する場合,通常はプリント基板上の銅配線で信号を伝達する。しかし金属配線では必ずインピーダンスによる信号ロス・遅延が発生。メモリ帯域幅などが向上すればするほど失われる信号も大きくなるため,プロセッサ能力の向上やメモリの大容量化が進めば進むほど金属配線による信号ロスがコンピュータ性能向上のボトルネックになることは以前から指摘されていた。

 新技術は金属配線に比べロスが少なく,また製造にはLSI製造技術を応用できるため低コストで済み,低価格な並列処理PCなどへの応用が期待できるという。

 新技術は同日開幕した「リアルワールド・コンピューティング 2001 最終成果展示発表会」に出展した。

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