News:ニュース速報 2001年11月26日 04:43 PM 更新

PHSと無線LANに対応するソフト無線機 NTTが開発

 NTT(持株会社)は11月26日,PHSと無線LANの両方に対応できるソフトウェア無線機を開発したと発表した。新技術により,TDMA方式のPHSとSS(スペクトラム拡散)方式の無線LANを1台でカバーできる。第2世代移動体通信と第3世代,無線LANを送受信できる端末実現につながるという。

 新技術はNTT未来ねっと研究所が開発した。新しいソフトウェア無線機は,無線周波数部分以外(中間周波数部とベースバンド部)をプログラマブルプロセッサで構成。新技術では,信号を無線周波数から中間周波数に,さらにアナログ/デジタル変換した後にフィルタリングや波形成形,無線LANの逆拡散などの処理を担当する「PPP」(プリポストプロセッサ)に新技術を導入した。

 新開発の「フレキシブルレートPPP」はFPGA(Field Programmable Gate Array)とDDS(Direct Digital Synthesizer)で構成される。FPGAを利用するため,無線方式に合わせて回路を自由に変更でき,回路規模を大幅に削減できる。またDDSにより任意のクロックを生成できるため,1種類のクロックから複雑な補間処理によって各方式のクロックに変換する処理が不要になり,回路の簡易化と高速化が可能になるという。

 回路規模のダウンサイジングと柔軟化により広帯域化が可能になり,PHSから無線LANまで対応できるソフトウェア無線機が実現できた。従来のソフトウェア無線機では数100KHzの低帯域までしか対応できず,約20MHzの無線LANには対応できなかった。現状では各方式に合わせて専用端末を用意する必要があるが,新技術を活用することで1台で済む。今後は実用化に向け,低消費電力化や小型化を進める。

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