News:ニュース速報 | 2001年11月28日 03:51 PM 更新 |
朝日新聞(Web版)などの11月28日付け報道によると,米原潜に衝突されて沈没した「えひめ丸」の船内からデジタルカメラが引き揚げられ,行方不明のままの実習生(当時17)が写ったデータが見つかったという。
デジカメは水深約600メートルの海中に8カ月以上沈んでいたが,データはメモリに無事残ったまま。行方不明の実習生の誕生日に撮影された笑顔の記念写真だった。実習生の父親は「これで永く息子の姿をとどめておける」と喜んだという。
銀塩フィルムが海水に長時間浸った場合,乳剤の変質や剥離が生じて写真が復元できない可能性がある。デジカメの場合,フラッシュメモリ自体が浸水しなければデータ保存の期待が高まる。
写真とは「それは-かつて-あった」(ロラン・バルト「明るい部屋」みすず書房)。“銀塩かデジタルか”で愛好家の議論も絶えないが,デジタルデータが大切な記憶を支える時代になったのは間違いない。
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